16話
「早く攻撃を……グワー!」
「全く、手間をはぶけるねー」
私たちはテロリストが潜んでいる旧連邦の廃墟の基地に突入した。辺りはソーラー学園の生徒とソーラー・ポリスを応戦しながら突撃にかかった。
「エリスとジャンヌは何処に……」
「ヨシノ、アレ?」
「……ん?」
ゼニガタ先輩はあっちに指を指す。何人のテロリストが攻撃態勢に整えている。しかも機関銃よりデカい重火器の装備を構えていた大男がこちらに向けていた。
「構え……撃て―!」
重火器の機関銃を装備した男はすぐさま発砲し、花火のように加速する流れ弾がこちらに向けてくる。
「ウワ―!」
「ヤバい! 全員退避しろ!」
とてつもなく銃弾が素早く飛んできて、僕とゼニガタ先輩……その他の人間は弾を避けて、全員瓦礫か建物と壁に咄嗟に隠れた。
「こんな武器に襲い掛かるなんて叶いっこない!」
「大丈夫だ……彼女がいるから」
「え?」
ゼニガタ先輩は落ち着いた態度をしている。彼女とは誰なのかと次の瞬間。
「ギャア!」
「なんだ?」
突然何か起こったのか気になって、壁からテロリストを覗いた。さっきのテロリスト達がソーラー学園の女子生徒に襲われている。
その少女は、ボストンセルフレームの眼鏡を掛けたエルメス星人のポニーテールの女子生徒だ。
彼女の持っている武器は細長い剣、彼女は真剣そうな顔付で、素振りをするように、流れ弾を当たらず、弾を切り落とし、パラパラと両断した弾がポロポロと地面に落ちていく。
「クソー! これでも喰らえー!」
大男は重火器の機関銃を捨てて、デカいサバイバルナイフで少女に襲い掛かった。
「甘いね!!」
「何!?」
彼女は素早くサバイバルナイフを交わし、右足で男の足を直撃して思いっきり蹴った。
「グホッ!!」
大男は転倒し、手に持っていたサバイバルナイフが飛んでいく、エルメス星人の女子は剣を仕舞う。
「私の足にキスしなさい!」
「ブヘッー!?」
最後は自分の足で、大男の顔面に向けて踏み潰した。大男の身体は一瞬で身体が動かず、戦闘不能になる。
「すげえ……あんな一瞬で」
彼女の凄腕の剣術は切れ味でアニメみたいだ。
「ひいい!」
「逃げろー!」
大男と一緒にいたテロリストは、怖気付いて畏怖した表情で、咄嗟に彼女から離れようと走り出して逃亡する。
「あ……逃げる気だ」
「ハハハ……ヨシノ大丈夫だ、私の血から技で」
「ゼニガタ先輩」
ゼニガタ先輩は彼女のティアドロップセルのソーラー・グラスで、武器を具現化している。彼女の手には鎖型の手錠が現れた。その手錠を指で振り回す。
「全員……御用だ!」
手錠は手裏剣のように逃走する二人のテロリストの方に向けて投擲する。
「ヒッ!」
「なんだ!?」
テロリストの二人は、両手と両足を手錠でカチャリと嵌めた。テロリストは転倒してしまい、近くにいたソーラー・ポリスによって拘束して御用となった。
「凄い……」
「私の手錠から逃げられないわ」
僕はゼニガタ先輩の武器が手錠、こんなに拘束するのは驚愕した顔で感心する。ゼニガタ先輩の背後の近くにある茂みに、ガサガサと物音がして、突然飛び掛かってくる。
「ゼニガタ先輩! 後ろ!」
茂みから出てきたのはテロリストだ、ゼニガタ先輩に銃を向けて発砲しようとした。
「喰らえー!」
「甘い!」
ゼニガタ先輩はポケットから小さな丸い金属を取り出し、素早く撃ってくるテロリストの方に投げた。
「ギャア!?」
テロリストは手に持っている銃を小さな丸い金属に直撃して放つ。その丸い金属は僕の方へコロコロと転がってくる。僕はそれを拾い上げると。
「これって……コイン?」
その小さい丸い金属は、金で出来たコイン、しかも昔に使われていたお金、100マーズ玉である。
ソレール系では昔、金と銀と銅のコインの貨幣が使われ、近代には紙幣が使用し、段々と時代が進んで、現在はデジタル式のICマネーが使用する。今でもコインと紙幣などのアナログの通貨を使用する店が多く存在する。僕は気になってゼニガタ先輩に話を付ける。
「どうしてコインを投げたんですか?」
「それはだな、私の必殺技のコイン投げ」
「コイン投げ?」
コイン投げとは一体、ゼニガタ先輩は急に何かを語り掛けていた。
「コイン投げとは、私の先祖代々に伝わる技だ、コインを使用し、敵の所持してる武器を攻撃する技だ!」
「そんな技があるんですか?」
納得したが、今は話をしている暇じゃない。
「エリスとジャンヌは何処にいるんだ!」
「こうなったら、捕らえた奴らに聞くしかない」
僕は両手と両足を手錠で縛しているテロリストに近づく。
「おいアンタ! エリスとジャンヌの監禁している場所は何処だ!」
小柄なウラヌス星人のテロリストに、声を掛けて話しをした。
「知るかボゲッ!?」
奴は反抗な態度で呵責する。
「貴様みたいな薄暗いプルートのハーフに言えるか!」
「なんだと……」
奴が今の言葉の自分の悪態が許せなかった。プルート星人である母の悪口を、僕は奴の顔を握るように掴んだ。
「ブッ!?」
「テメー今……なんつった!」
「あ……ハーブヘッ!?」
僕は奴の頭を手放し、顔面の左頬を拳でお見舞いし、見事に直撃する。
「おい……僕の目を見ろよ!」
「はひっ!?」
殴ったテロリストを髪を引っ張っり、頬を腫れた男に向けて直視する。奴は怖気した目で号泣して落涙する。
「死んだ母さんの悪口を言ったり、プルート星を侮辱したら、タダじゃ済まさねーぞ!」
「ヒエエエエエ!!!」
テロリストはビクビクと恐怖感を味わい、ガクガクと震えながら泣き寝入りする仕草で、エリスとジャンヌの居場所を全て公言する。
「監獄錬の地下室の牢屋にいます! 命だけはあ……」
テロリストは鬼の形相をしたヨシノに嚇怒を受けて怯えていた。
「よろしい」
テロリストの男は正直に言明し、怒気を収まったヨシノは、テロリストを離した。
(あの先生より怖いな)
ヨシノの怒り狂った顔を見ると、あの先生を思い出す。さすが彼女の弟子だ、ヨシノは自分の赤い髪と白髪を搔き上げる。ヨシノの半分の髪の色はハーフの組み合わせだ。
「ゼニガタ先輩、エリスとジャンヌは監獄錬、場所は地下室で投獄」
「監獄錬は確か……時計塔の建物だ」
ゼニガタ先輩時計塔を指す。エリスとジャンヌが拘置している監獄錬である。
「急ぎましょう!」
「ああっ、みんな……後の事は任せた!」
「「「「「了解!」」」」」
僕とゼニガタ先輩と一緒に、エリスとジャンヌがいる監獄錬へと向かう。
「ちょっと待ってください!」
「ヨシノ?」
ヨシノは何か思い出す顔で、さっきのテロリストに近づく。
「まだ話がある!」
「はひっ!?」
さっきのウラヌス星人はまだ怖気付いている。やりすぎたなこりゃあ。
「投獄している二人のソーラー・グラスは何処だ!」
「はい?」
エリスとジャンヌのソーラー・グラスを何処に隠したのか、先に彼女たちの眼鏡が必要だ。
「もう一度言う。ソーラー・グラスは何処だ」
「はい……監獄錬の監視室にある机の引き出し……」
男は怯えながら苦笑いして、正直にソーラー・グラスの置き場所を公言する。
「どりゃー!」
『切り刻んでやるです!』
僕はソーラー・グラスで武器である刀の素振りで、監獄錬の入り口のドアを切断する。
「さすが、ドアをこんなに切れるとは」
「取り合えず、監視室の部屋を探しましょう」
「確か……案内図に書かれているな」
正面警備室の壁に張り付いている監獄錬の案内図で場所を索引する。
「あった。監視室は1階の食堂辺りの近くにあります」
「早いところ急ぎましょう」
僕とゼニガタ先輩は、監視室のある食堂へと駆けつける。
食堂に到着すると、周囲はテーブル席と調理室が錆びれていて、監視室の部屋を探索した。調理所のゴミ箱近くのドアを目にする。【立ち入り禁止】の文字のマークが書かれていた。
「ここか」
「らしいな」
僕たちはドアに近づき、立ち入り禁止の壁紙には、【監視室】と書かれていた。しかもその扉は、厳重な合金で出来ている。ドアノブを引くと、ロックされていて、誰かいるに違いない。
「鍵が掛かっている。この中に誰かいますね」
「ドアを突き破ろうと出来ないな」
「僕のソーラー・グラスでドアを斬ります!」
「ああ……丁重にな」
僕は硬い物で出来ているドアに向けて、手前に侍のように刀を構える。
『ドアだけでなく、まさか中にいる人間を惨殺するのはちょっと……』
「タネちゃん、ドアを斬るだけでいいからね」
「わかりました!」
タネちゃん、残酷な言葉は勘弁してくれ、ドアを壊して斬るだけだから。
『それじゃあ、私とあなたのソーラー・グラスで必殺技を使いましょう』
「必殺技……?」
『このソーラー・グラスで具現化した武器には、とっておきの必殺技が使用できます』
「まるでオンラインゲームみたいだな」
武器であるタネちゃんの必殺技はどんなのだろう、その時手に持っている刀全体が青白い閃光が輝いた。これは……光り輝く刃、これならいける。
「行くよ! タネちゃん!」
『はい! 踏ん張って―!』
僕は思いっきり必殺技を言った。
「光刃」
僕は素早く電光石火のように刀を振って、ドアを斬り刻んだ。ドアは一瞬でバラバラに落ちていく。
「なんだ!?」
「ドアが!?」
監視室の中にいたのは、監視カメラを見張って、椅子に座った二人のテロリストが仰天する。一人のサターン星人の男は、背中から銃を取り出そうとする。
「貴様らー!」
「おっと動くな、武器を捨てないと、この刀で斬ってみるか……」
「ううっ……‼」
男は真っ青な顔で、銃を床に捨てた。
「よろしい。もう一人もだ」
「はい!?」
もう一人のジュピター星人の男も、銃とその他の武器を取り出して捨てる。僕は銃を手にして、上に投げて、刀で銃を野菜のように切り刻んで断裁する。
刀をもう一度テロリストに向ける。
「エリスとジャンヌのソーラー・グラスは何処だ……」
「へ……?」
「何処だ‼」
「わかった。あの眼鏡なら……あっちの机の引き出しの何処か……?」
サターン星人のテロリストは、監視室の奥にある机の方へ指した。
「あそこか、ゼニガタ先輩は二人を逃がさないように」
「わかってる‼」
ゼニガタ先輩は縄で二人の椅子を座らせて、グルグル巻き状態でテロリストを縛り上げた。
僕は机に近づき、あちこちの引き出しを捜索し、一番上にある引き出しを開けると、中から銀縁丸眼鏡と赤いアンダーリムの眼鏡が置いていた。
「あった。エリスとジャンヌのソーラー・グラス‼」
「本当か……」
エリスとジャンヌのソーラー・グラスを無事に奪還する事が出来た。僕はエリスの丸眼鏡、ゼニガタ先輩はジャンヌのアンダーリム眼鏡を手に持って、ポケットに仕舞う。
「さて……早く地下室へ向かおう」
「はい!」
僕とゼニガタ先輩は監視室から出て、地下室の方へ直行した。
「騒ぎが聞こえますけど?」
地下の牢獄から、騒音らしい波風が聞こえる。
「助けが来たんじゃないでしょうか?」
「私とジャンヌさんのソーラー・グラスが奴らに奪われて、助けが来る信号があれば」
「おそらく」
私とジャンヌさんはソーラー・グラスをテロリストの野蛮人に強奪されてしまい、ソーラー・グラスがないと、私の十字架と、ジャンヌさんの大剣のなどの武器が出せない。丸腰状態では何も出来ない。
「取り合えず、早くここから出ましょう」
「脱出する手段を探さないと……」
「はい、徹底的に探しましょう……」
私とジャンヌさんと一緒に、ドアの鍵の代わりに出来る物を探索した。針金みたいな細長い金属があれば、ドアのロックを解除できるかも。
「ありました?」
「いいえ、何もありません」
暗闇の中で、部屋のあちこちにある寝具と家具の隅々まで詮索したが、針金みたいな物は一つも見当たらない。
「どうすればいいのかしら?」
「それにエリスさん。このドア、硬い金属で出来ていますけど?」
「はい?」
牢屋のドアには硬い貴金属で出来ている。
「ドアを突き破るしかないですわ!」
「そうね……せーのでやりましょう」
私はジャンヌさんと後ろに下がって、ドアに向けて突き破ろうと突進する。
「「せーの‼」」
二人で一斉にドアを突き破ったが、とても金剛過ぎてとてもビクともしない。何回も叩いたが、身体が痛覚を感じてしまい、疲労でグッタリと倒れ込む。
「私達……死ぬの?」
「勝手に決めないでください!」
諦めかけたジャンヌさんは腰を抜かす。突然ドアの外側から足音が聞こえた。「
「まさかテロリスト達が私たちを引き連れに来たのだろう?」
「逃れるために人質である私とジャンヌさんを盾にするつもりじゃないでしょう?」
「エリス――――‼」
今度は私の名前が呼ばれる声が聞こえた。私の知っている誰かの声、
「その声は……」
私は耳を通して謹聴する。
「まさか……彼の声……」
「エリスさん?」
ジャンヌは茫然とし、私は声の主である彼を感涙した。
「生きていらっしゃったのですね……」
今までのデートをほったらかしたと思い、でも本当は怪しい輩を追いかけて、無礼なテロリストの罠にハマり、もう死んだと思われた人物でもある。
「ヨシノさーん‼」
この声は、私がソーラー・グラスを渡した、ヨシノ・オオウチの声に違いない。
「ここでーす。ヨシノさん!」
「エリス! ここにいるのか、待ってろ、今壊して出してやるぞ!」
「ヨシノさん、このドアは頑丈で、とても壊せません」
「大丈夫、ソーラー・グラスでタネちゃんがドアを斬るから安心して、後ろの奥まで下がって!」
「タネちゃん?」
ヨシノさんが言ったタネちゃんって一体誰でしょう。
「わかりました。ジャンヌさん……早く部屋の奥へ!」
「はい‼」
私はジャンヌさんと一緒に、部屋の奥の隅まで避難をした。隣にあるベッドの毛布で、障害物を当たらないように、身体中を羽織って床に伏せた。
「タネちゃん……斬るよ!」
『はい‼』
「光刃!?」
ドアはレーザーのような線が出て、スライスのように切り刻まれ、ドアは一瞬でバラバラと散らばるように崩れ落ちる。
「エリス‼」
ドアから入ってきたのは、右手に刀を持って、赤毛と白毛を半分にした髪型、ソーラー学園の男子制服を着用し、それに赤い丸眼鏡を掛けていた。私の知っているヨシノ・オオウチ、私の知る適合者である。
「ヨシノさーん‼」
ヨシノさんが生きていて光栄で、奇跡的に再会した。




