タマと「お世話になります」のジレンマ
いつもお世話になります。玉三郎です。
THE 社会人・タマは営業でも事務でもありませんが、仕事をしていると、社外の人とやり取りをする機会があります。それはメールだったり電話だったり。
そしてその時に頻繁に使う挨拶がこれ。
「お世話になります」
「お世話になっております」
おはようございます、お疲れさまです、と並んでよく使う、挨拶の3大フレーズです。
個人的には「お世話になります」の方が字面も言い方もスマートで好きです。電話では、「猫の玉三郎と申します。お世話になります」というのが通例です。例え電話するのが初めての相手でも、この言葉は使います。お約束です。なんですが、ここでちょっと玉三郎のこだわりがあります。
自分から電話をかけた時は、相手の「お世話になります」を聞いてから自分が言いたい。
こちらから電話する場合、まず相手が先に名乗ります。
「はい、〇〇商事でございます」
するとタマもすかさず言う訳です。
「猫の玉三郎と申します」
ここでいったん言葉を切ります。そうしたら先方が例の言葉を言うのです。
「お世話になります」
タマもそれに返します
「お世話になります」
この流れがタマ的ベストです。そこから要件に入ります。すこぶるスムーズ。
逆に、グダグダになるのがこちら。
「はい、〇〇商事でございます」
「猫の玉三郎と申します。お世話になります」
「お世話になります」
「……お世話になります(?)」
このように必ず不毛な「お世話になります」を言ってしまうのです。自分がモワッとした気分になります。きっと相手はそんなに気にしてはいないでしょう。
(あ、2回も言っちゃった!)
と、1人勝手に恥ずかしくなるだけです。しかし、電話パフォーマンスを完ぺきなものにする為には、心の乱れは命取りなのです。例え先方にFAXが届いているかだけの確認であっても、ちょっとの動揺が凄まじいミスを呼び起こすのです。
ごくたまに、自分が名乗った後、つかの間の沈黙ができる時があります。時間にしたら2秒くらい。タマが名乗った後にすぐ「お世話になります」と言わないものだから、相手も言えないもどかしさに駆られているようです。どちらが先に、その言葉を発するか。両者ともに相手の出方を伺っているのです。あまり沈黙があるのも心象がよくありませんから、勝負が長引きそうなら即座に身を引きます。
つい先日、その場面に出くわしました。
タマが名乗り終えたあとの、わずかな沈黙。どちらが先か、あなたか、わたしか。電話でつながった、顔も知らぬ相手との腹の探り合い。きっと先方も自分の「お世話になります」で締めたい人なんでしょう。でもタマも譲れません。そっちだよ、言ってよ早く。え、言わないの? タマが言っちゃう感じ? いやいや、タマ的にそれNGなんですけどもうそんなこと言ってる場合じゃない沈黙長すぎ——
「「お世話になります」」
両者引き分け。完全異口同時同音。いやあ、かなりハモりました。見事でした。相手もあの沈黙に耐えられずに言いはしたものの、完全にタイミングがタマと一緒。その後要件を伝えるタマは、なんだかおかしくて、笑っておりました。
タマもまだまだ未熟です。相手に気を使わせることなく、自分のペースで事を運びたいです。精進、精進。