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タマと読書日記(2) 人間は9タイプ 他7冊

 先日活動報告でも触れた本も含めてボリューム重視で参りましょう。という訳で駆け足でレッツゴ!


 ◇


「人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書」坪田信貴 / KADOKAWA


 こういう心理学系の本も好んで読みます。人にはそれぞれ個性があり、それをタマはとても面白く思うからです。同じものを見ても捉え方は人それぞれ。なんと興味深い。


 本作は映画にもなった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」、通称「ビリギャル」の著者が手掛けた第2弾の書籍です。


 心理学にも精通している著者が独自に分類した9タイプの性格ごとに、性質や短所・長所、また接するに当たってのポイントなどが興味深く記されています。子育てに手を焼く親御さんはもちろんの事、部下や後輩を育てる立場の人、あるいは手強い上司や先輩を懐柔するのに、多いに役に立つ一冊となる事でしょう。生年月日等をこねくり回して診断するタイプより、よっぽど本質に迫れると思いました。ちなみタマは「研究者」タイプでした。解説みて超納得。


 ◇


「自分を操る 超集中力」メンタリストDAIGO / かんき出版


 テレビでもおなじみ、メンタリストDAIGO氏が執筆されていて、タイトル通り「集中力とは」に特化した解説書となります。驚くべき事に、中学2年までは勉強が出来ず落ちこぼれだった著者。そこから自分なりに集中力を付けようと色んな心理学を読んだのがきっかけだったそうです。


 消耗品である集中力をいかに節約するか、適切に使用できるタイミング、集中力の量を底上げする方法。本書にはそれを詳しく書いてありますので、仕事や勉強に多いに活かせそうです。タマはさっそくアーモンドをオヤツに取り入れました。気になった方はぜひどうぞ。


 集中力を味方につけて、ダラダラ過ごす事なく、充実した日々を送りましょう。


 ◇


空棺(くうかん)(からす)」阿部智里 / 文藝秋春


(からす)(ひとえ)は似合わない」、「(からす)(あるじ)を選ばない」、「黄金の(からす)」に次ぐ。平安京風・和風ファンタジー"八咫烏(やたがらす)シリーズ"の4作目になります。


 脚が3本ある大きな八咫烏と、人間との2つの姿を持つこの世界の住人達。馬が車引き、貴族らは煌びやかな着物を纏う暮らし。后の座を巡り、4人の美しい姫が熾烈に競い合う1作目。その后選びの裏側、同時期に起こっていた若宮殿下達の攻防を描いた2作目。


 もう、引き込まれました。精霊の守り人シリーズや、十二国記シリーズが好きな人は、きっと好きな雰囲気だと思います。


 さらに、その八咫烏の世界に、前代未聞の恐ろしい事件が襲う3作目。表題の4作目は、若宮殿下に使える少年・雪哉が、王家直属の護衛部隊「山内衆」を育てる学び舎でひと騒動起こします。


 現在第5作目が絶賛発売中です。そのうち読んじゃるもんねー。このシリーズに関しては、語りたいところがたくさんあるんですけど。それを言っちゃあ面白くない。誰か読んでいたならば、ぜひネタバレOKで語り合いたい所存です。


 ◇


「アカガミ」窪美澄 / 河出書房新社


 近未来の世界を描いたヒューマンドラマ。極端な少子化、若者の自殺率の急増。無個性・無気力・無感情の若者達を待つ未来は? 国が密かに行っている政策「アカガミ」とは? 生きる意味、痛み、喜びを始めて経験する主人公ミツキ。家族を得る大切さを、やっと知る事ができた彼女を待つ先に……。


 仄暗い狂気が揺らめく世界に、人々は何を思うのか。


 少子高齢化社会の延長。世は老人で溢れ、未来を見出せない少年少女達。都市部の外は過疎化が一段と深刻化し、自給率は急落。決して、フィクションだからと割り切れるような問題じゃありませんでした。このままもしかしたら本当に「アカガミ」の世界に行ってしまうのではないかという恐怖が、読了後にもずっと心に残ります。くう、色んな意味で怖かった!結構な衝撃作です。


 ◇


「山女日記」湊かなえ / 幻冬舎文庫


 玉三郎、どこかのエッセイに登山に興味深々と書きました。きっかけは漫画。

 ズバリ、「山と食欲と私」信濃川日出雄 / 新潮社

 主人公の鮎美ちゃんが、それはもう楽しそうに山に登るんですよ! そして作中に出てくる料理の美味しそうなこと!!


 そしてそんな「登山いいなぁモード」時に書店で見かけた本作。もうタイトル買いですね。


 章ごとに変わる主人公達は、山に登りながら自分自身と向き合います。山の美しさに触れ、やがて自分の悩みにも小さな光を見出していく彼女達。きっと彼女達の悩みは現代の女性なら共感できるものがあるでしょう。自分に折り合いをつけながら、ひたすら山登っていく姿がぽっと浮かびました。小さな感動の連作長編です。


 残念ながら登山の経験はほぼゼロのタマなので、貧困な頭をフル回転でイメージをしても、決して本物の美しい景色には叶わないでしょう。ああ、知りたい。どんな景色が見れるのか、彼女達が辿った道筋を、タマも登ってみたい!


 ◇


「壇蜜日記」壇蜜 / 文春文庫


 あの壇蜜さんです。先述の山女日記は物語ですが、こちらの日記は本当に日記。それも1年分。


 本書より一文抜粋。


 2013/11/8 晴れ

「字の汚さは心の汚さ」「口の歪みは心の歪み」……そんな事をよく言われる。字も汚ければ口も歪んでいる私は両方に当てはまる。当たっているので仕方がない。


 壇蜜さんの独特の感性が、きれいな文章にまとめられています。きっと頭のいい方なんだろうなと常々思っていましたが、まさにその通り。不思議で艶かしい壇蜜ワールドをぜひご堪能あれ。


 しかし、壇蜜。

 けしからん美ボディだ。


 ◇


「麒麟の舌を持つ男」田中経一 / 幻冬社


 麒麟の舌……絶対味覚かな。という事は、飯テロものか!! という解釈で読み始めた本作。ところがどっこい、いい意味で裏切られた! これはレシピにかける、熱い男の物語だ!!


 とある依頼により、戦時中に作られた幻のレシピ「大日本帝国食菜全席」を追う、料理人・佐々木充(ささきみつる)。時代は中国での満州国建国時まで遡ります。和洋を極めた日本料理人とその妻、中国人の凄腕アシスタント。204種類もの極上レシピが、春夏秋冬の4つに分かれ、第二次世界大戦を機に散り散りとなりました。レシピにかける各人の思惑が、この物語にグッと深みを与えています。そしてこの「大日本帝国食菜全席」に与えられていた真の目的とは。


 そして、涙脆い玉三郎。やられたよ。やられちゃったよ。普通とはちょいと違う、愛の形。例え不器用でもそこに込められた想いは本物。最後は泣きながら「良かったね、良かったね」と謎の独り言を呟き、鼻を噛んでいました。


 ※タマの涙腺は、独り暮らしのお爺ちゃんがスーパーで惣菜を万引きしたというドキュメント番組で泣きそうになるぐらいですので、だいぶ緩い方かと思います。あと某アニメーション映画の冒頭5分で泣きます。それも毎回。泣くポイントが人と違うとも言われます。


 いやいや、面白うございました。


 ◇


 時間とは限られたものですので、一生かかっても多くの本は読めないでしょう。1冊、1冊の感動や驚きを大事に、これからも読書していきたい所存であります。

 ちなみに速読はしなくていい派です。ゆっくり噛み締めて読みたい。むしろ途中で中断して、自分なりに物語を咀嚼しながら、考察を深め、その世界を自分の中で広げていきたい。そしてまた読み出す。……とか言いながらつい没頭して読んじゃいますけどね!


 次回の読書日記はダン・ブラウン著の「ロバート・ラングドンシリーズ」を取り上げようかと思っております。映画化された「ダヴィンチ・コード」なんて有名ですね。このシリーズを通し、タマは結果的に作家フランツ・カフカと、運命の出会いをする事になります……。


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