タマと『そうだ、小説を書こう』
ついに先日冬至を迎えました。冬至は1年のうち1番陽が短い日です。と、言うことは……以降はだんだんと日が長くなる! 起きた時暗闇ではなくなり、帰宅時も明るいあの日が少しずつやって来る!! やったぁーっ!! 寒さは今からが本番ですが、お日様が長く居てくれるのは大変喜ばしいです。もう本当に朝が暗いと起きれないんです。冬はお寝坊さんです。
さて、これを読んでる皆さんは小説をお書きになりますでしょうか。書くよ! という方はどういう風に書き始めますか? 物語の始まりは、どこからですか?
夜野 せせり さんという、なろう作家さんがいらっしゃいます。少しおっちょこちょいさんですが、作られるお話は胸がハッとするような素敵なものばかり。タマはせせりさんの「甘夏時計」というお話が大好きなんですけど、なんとこのお話はタイトルから思いつかれたそうな。なんてこったい、そんなお話の作り方があったのかと目からウロコです。
(『甘夏時計』でどういう風にお話を作られたかは、ぜひ読んで確かめて頂きたいです)
タマはしょうもないお話をつららっと書いた後に、適当なタイトルをサッとつけます。なのであんまり凝ったタイトルではありません。ここはいっちょ、せせりさんを見習って、素敵なタイトルを考えそこからお話を作って見ようじゃないか! 思いつくままにタイトルをあげていこう。 そこから思いつくお話をちょこっと書いてみよう。
まずは素敵な単語を思い浮かべましょう。そういえば近くに「夫婦石」という地名があります。雄石と雌石が二つ仲良くならんでるのかどうか知りませんが、響きが良いですね。これでいきましょう。この単語のあとに色々語句を付け加えてみることにします。
「夫婦石の約束」
なんだか甘いロマンスの香りがします。約束というくらいなので十年、二十年、あるいはそれ以上の時間幅がありそうです。きっと男女の恋愛と、他になにかを絡ませた感動系です。少し切なそう。
さあ、アイディアは出せるだけ出しましょう。
「夫婦石の裏切り」
「夫婦石の沈黙」
先ほどから一転、夫婦石になにがあったんでしょうか。「裏切り」になると一気にサスペンスの匂いが立ち上ります。「沈黙」は仄暗い展開になりそうです。下手したらホラーです。まあ怖い!
「夫婦石は眠らない」
意味深ですね。「眠らない」、脳が刺激されていて興奮状態ですよ。アクションがありそうです。その中にほのかにアダルティックな感じを受けるのはタマの感性がおかしいからでしょう。そうに違いない。
こんな感じで、以下ポンポン放り出していきます。夫婦石にこだわらずにどんどん参りましょう。時にインスピレーションのままに、時に文豪の名作に敬意を表し、時に人気・有名作品をヒントに。
「ピエロのドヤ顔」
「オタク達の宴」
「5円玉テクニカルレース」
「白菜のみる夢」
「有給取得戦争」
「サルエルパンツの行方」
「首切り塚から愛を込めて」
「セクシー大根・パリへ行く」
うーん、さすが猫の玉三郎であります。にじみ出る残念臭。どんな素敵なお題でも残念に仕上げる自信があります。それにしても、なんだこの組み合わせは。上記のタイトルでもなかなか想像が広がるものがありますが、書き出したらボリュームたっぷりになるのではしょります。引き続きでてきた残念なタイトルからお話を想像していきましょう。
「漬物石の恋」
……最近漬物石を置いているご家庭がいったいどれだけあるというんでしょう。一般家庭が無理なら専門店です。というわけで主人公は明治時代から続く由緒ある漬物屋さんの倅かな。ちょっと頑固で職人気質の小難しい人。年は、んんー、アラサーかアラフォー。これに恋愛要素が入って……相手はお客さんか、バイトの女の子。いや、仕入先のバツイチの同級生かも。漬け物トリビアを交えながら。ううん、ううん、なんかいけそうな気がする!
「不在票の奇跡」
不在票を受け取ったことにより、なにか奇跡的な事がおこったんでしょうね。配達員さんの運命か、受取人の運命か。あるいは送り主か。絶望を背負った人間の、再起の物語。ヒューマンドラマです。でもタイトルが少々滑稽なのでコメディ寄りですね。三谷幸喜作品のような。
「バナナの耳うち」
これ良くないですか? バナナがいったい何を耳元でささやくんでしょうね。甘くねっとりした声で"アタシ、食べごろなの"でしょうか。けしからんバナナです。もっと純情系が良いような気がします。タイトル通りにお話を作らなくても、感じ取れる雰囲気でなにかできそうですね。
「僕らのサンダルフォン」
サンダルフォンとはユダヤ教のかなりデカい人です。多分見上げても顔見えないくらいの超デカい人。人じゃないや、天使だ。……だとしても全然話も見えないよ!
「白ブリーフの誘惑」
ああ、「白ブリーフの誘惑」素敵ですね。品位を蔑ろにすれば、なにかとてつもなくおもしろい話になりそうです。ただそれを書き上げて投稿する勇気がタマにあるかどうかです。ハードルが激高いです。
「奈良漬けは誰のもの」
誰のものかと聞かれたら、タマのものと答えたいです。奈良漬け好きですもの。では、玉三郎めの奈良漬けへの愛を披露するエッセイにしましょうか。いやいや、奈良漬けより好きなものが結構ありますよ。奈良漬けに隠された秘密を巡る、壮大な歴史ロマンスでしょうか。そんなん書ける気がしない。
「マヨラーの余命」
マヨ好きの間に一石投じる社会派(?)ストーリー。マヨ大好きな主人公が健康診断でついに引っかかり、仕方なくカロリーハーフのマヨネーズを買ったももの「コレジャナイ」と絶望するお話。でもタマはケチャップ派です。
「我輩は猫派である」
奇遇ですな。我輩も猫派である。生まれついての猫好きのおっさんが淡々と猫について語るお話。ただ猫アレルギーだから遠くから眺めるだけ、とかいうオチがありそうです。きっと年に一度、特別な日に鼻水ズルズル出しながらニャンコを抱っこするのです。
「犬好き家の一族」
不気味な白いマスクを被ったスケキヨ君は、犬が大好きです。身内で事件なんか起こしません。犬についてのヨキコトヲキクのです。
「雨ニモ負ケタ」
あああ、雨にも負けちゃったらあとは何に勝てるというのだろうか! これは悲しき1人の男の物語ができそうです。 雨に打たれて風邪ひいて、風に吹かれてよろめいて。夏の暑さにはすぐバテて、冬の寒さと乾燥でお肌はかっさかっさ。もちろん哀愁漂うコメディ枠です。
「里芋発見伝」
隊長! 土の中からなにやらゴロゴロしたものが出てきました! 植物の根だと思われます! これ以上話がを広げるのはもう無理です。分かりにくいかもなので元ネタは「里見八犬伝」と一応記しておきます。
「進撃のボイン」
ボインに進撃されたら誰も敵いませんがな。……今どきボインって言うんでしょうか。巨人の韻で考えたらボインって出てきたけど。知らない人の為に、ボインとはお胸がユッサユッサしていることです。たわわです。地味なお姉さんがある日を境に巨乳を武器に何かを頑張る系ストーリーです。
「徐々に奇妙になる冒険」
きっと最初は普通なんでしょうね。
「ノートデス」
カタコト外国人留学生が持っている1冊の黒いノート。このノートに名前を書き込むと、大変な事が……きっと生粋の日本人もカタコトになります。ノートに詳細を書き込めば、特定のシュチュエーションやキーワードだけをカタコトにできます。恐ろしい。
「5本指ソックスが教えてくれた、人生で大切な5つのこと」
自己啓発書のノリで。そんな大切なこと5つもでてくるだろうか。もしくは5つに絞り込めるだろうか。あ、水虫になった時の秘訣とかどうでしょう。清潔、乾燥、そして医師の正しい処方。うん、3つしかない。
続いて、身近ななろう作家さんの大好きな作品名をもじって。なお、もじったタイトルで浮かんだしょうもないお話を列挙していますので、素敵なオリジナル作品とはなんの関係もありません! ※申し訳なさと作品への敬愛を込めて、あとがきに作者・作品名を記します。
「夢二さんのつむじ」
夢二さん御年70歳のつむじはとっても個性的。なんとおでこのすぐ上。おかげで白い前髪はいつでもピンと上を向いている。趣味はシルバー川柳と散歩、そしてゲートボール。そんな夢二さんの気ままなシルバーライフ。
『あんた誰 昔マドンナ いま山姥』
「没物語・あるいは熟成の最中」
没ネタ集をすげーカッコ良く言ったらこうなると思います。今は書けないけどいつか書けるかも、で「熟成」です。没ネタに需要があるとも思えませんが、日の目を見ることができない没ネタ達を供養してやるという意味では良いと思うのです。元ネタとの落差がヒドいです。
「ひよこの羽」
なにこれ、きゃわいい予感しかしない。どんな話に発展してもキュートな方向にしか進まない。これはタマの手に余りますな。鶏になるまで待ちましょう。
「できれば、君の下僕として生まれ変わりたい」
なんということでしょう。ドM男の誕生です。もうコメディ以外なにものでもありません。普段は鋼鉄仮面の主人公がモブのようなヒロインに隠れぞっこん。はた目からはクールなイケメンにしか見えないのに、思考はだいぶぶっ飛んでいます。元ネタとの落差が1番ヒドいです。ファンの方になぶり殺されそうです。
「大根にも花が咲くだなんて、あの頃の僕は知らなかったんだ」
え、このタイトルかなり素敵な匂いがするんですけど、タマだけでしょうか。真面目で少しおバカな男の子。大恥をかいたあの日。青年が過去を振り返ります。青年ではなく、小さいお子さんがいるパパさんかも。妄想が広がりますね。拙作の「ヘコんだ時には〜」と似た雰囲気でイケそうです。
「オッドアイズ 〜猫のつぶらな瞳は罪か」
罪ですね。可愛いは有罪です。やつはとんでもないものを盗んでいきました。わたしの心です。
「おれたちのキャベジン」
きっと二日酔い、あるいは胃もたれと戦っているのです。上司・部下・家庭に挟まれたサラリーマン達の、ストレスと胃もたれの戦いの記録。彼らのカバンの中には、1本のキャベジン。彼らの心と胃の拠りどころ、キャベジン……!
「海の幸でマリネ」
字面がすでに美味しそう! グルメリポート! サーモン、タイ、ヒラメ。タコもカツオも有りですね。イクラやキャビアをちょびっと乗せて、キラキラしたソースやジュレをぷるんと乗っけて。ああ、美味しそうぉぉ!
「メーデー! 〜駄々っ子と僕」
助けて! 駄々っ子に振り回される「僕」の日常。心の叫びが聞こえてきそうです。「僕」が面倒を見るのは年の離れた弟か、あるいは親戚の子か。それとも全くの他人か。駄々っ子はホント、手をやきそうです。
「テスト・クラッシャー」
テストの珍解答集。以下、実際にあったテストの珍解答です。フォントにしてしまうと、どうしてもあのつたない手書きの破壊力と微笑ましさが表現できないのが残念です。
英語 : 次の文を英文にせよ。
「私は絶対バカにはなりたくない」
解答→ I'm no BAKA. No! No! Zetai!
社会/地理 : 一番たくさんの都道府県と接しているのはどこですか。
解答→ 海
国語 : 次の文を読んで、あなたの思った事を書きなさい。
「父ちゃんは裸のままお札を差し出した」
解答→ 父ちゃんはヘンタイかもしれない。
国語 : 次の慣用句の意味を答えなさい。
「大は小を兼ねる」
解答→ 大便をするときは一緒に小便もでる。
◇
いやはや、こういうのを考えるのはとても楽しいですね。「甘夏時計」のようにしっとりかつ爽やかなタイトルは考えつきませんでしたが、これはこれで良いと思います。玉三郎テイストです。これらの中からひとつでも起承転結がうまく繋がった物語になれば投稿してみたいと思います。
【スペシャルサンクス】
◇夜野せせりさん
「甘夏時計」
◇カラスウリさん
「夢路のつぶり」
→「夢二さんのつむじ」※土下座
◇錫蒔隆さん
「贄物語・あるいは鵺の国」
→「没物語・あるいは熟成の最中」※最土下座
◇ホオジロさん
「鷹の羽」
→「ひよこの羽」※威厳ゼロ! 土下座
◇たこすさん
「できれば、君の飼い猫として生まれ変わりたい」
→「できれば、君の下僕として生まれ変わりたい」※五体投地
◇恵美子さん
「大根にも花は咲く」
→「大根にも花が咲くだなんて、あの頃の僕は知らなかったんだ」※土下座
◇暁乱々さん
「Red rose 〜紅い薔薇は罪か〜」
→「オッドアイズ 〜猫のつぶらな瞳は罪か」※土下座
◇実茂譲さん
「おれたちのキャベツ」
→「おれたちのキャベジン」※土下座
◇exaさん
「海の中のネリネ」
→「海の幸でマリネ」※美味しそう土下座
◇ナガスさん
「メーデー」「僕っ娘と僕」
→「メーデー! 〜駄々っ子と僕」※土下座
◇加純さん
「テスとクリスタ」
→「テスト・クラッシャー」※土下座
以上、ありがとうございました! どの作品も個性が光り輝いてとっても素敵です。虎の威を借る猫でございました。