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4:北風の冬 猫とカラスの参拝者

4:北風の冬 猫とカラスの参拝者

 北風の吹いた冬。少しずつちび神様が人々の記憶から忘れられた頃、参拝者がやってきた。ちび神様は久し振りのお客に驚いた。それは、猫とカラスだったから。ちび神様は、二匹のことを少し調べた。

 小さな猫は、目が見えなかった。近くのお家で飼われていて、見えなくても愛されて育っていた。とても臆病で、すぐに何かにぶつかってはにゃーと鳴いた。

 カラスは、耳が聞こえなかった。何を見ても、それがどういうことかわからない。仲間の注意が聞こえなかったり、雷の音が聞こえなかったりして、何度もけがをしていた。でも、カラスには理由がわからず、だからいつも前向きだった。

 二匹は、同じ思いを持っていた。「世界が知りたい。」

 ちび神様は二匹の参拝者の熱意に少し心が動いたが、でも、二匹の幸せのことを考えると、世界なんか知らないほうがいいと思っていた。それに、そんなに思うなら新しい社にいった方がいいと。

 ちび神様は、一応、古い神様に二匹の面倒を見てもらえるよう、お願いにいった。しかし、古い神様は、「その二匹は、以前にこっちに来てが、何も礼儀ができないので追い返したのだ。」と答えた。ちび神様は心が痛んだが、あれじゃあしょうがないなと思い、何もせず二匹をほっておいた。

 しかし、来る日も来る日も、寒い風の中、二匹はやってきた。身体のどこかに怪我をしながら、やってきてはお祈りをする。ちび神様は怪我をさせたくなくて、何度も怖い音や、恐ろしい姿で脅かしては遠ざけようとしたが、2匹にはあまり効果がなかった。

 「少しは、相手をしてやったら。」狐は、言った。「お手伝いしますよ。」

ちび神様は言った。「だめなんだ。僕には彼らを幸せにはできないよ。」

 「どうして?」狐は尋ねた。ちび神様は、神様になる前の記憶を語り始めた。

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