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小さな山の神様
イントロ:小さな山の神様
今より少し未来の日本。でも、すごく田舎の山の中。
ひっそりとした小さな社に、小さな神様が、お仕えの狐と一緒に住んでいた。
小さな神様は、普通の人には見えないが、「ちび神さま」と呼ばれ、
あまり多くはないが、地域の人達に親しまれていた。
ちび神様は、神様になってから、その土地を100年程前から守ってきた。
でも、ちび神様は古い神様たちと比べると、あまり神様らしい力がなかった。
まだまだ神様界では新米の神様。
ちび神様は、今はボロボロになった社で、毎日山から見える里の景色を見て過ごしていた。
狐は言った。「もっと神様らしくしたらいいのに。大きな社にして、賑やかにお祭りをして。」
ちび神様は、首を横に振った。「僕にはこれ位で丁度いいんだ。」ちび神様は、自分に自信がなかった。