表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/86

未来社会 2

 夜、ホテルの一室。ウィル達にあてがわれた部屋で、ウィルとオービル、祐樹と梨奈は話し込んでいた。

 なるべく明るい話題を選ぼうとしたのに、皆が疲れていて暗いムードに包まれている。オービルが雰囲気を変えようと、この四年間祐樹達が何をしていたかについて尋ねる。

 「今」この時間は、祐樹達にとってはライト兄弟と別れた時から数分後でも、ライト兄弟にとっては、四年も経っているのだ。祐樹は口をつぐむ。この場を凌げるのは梨奈以外にない。

 祐樹の予想通り、梨奈は架空の四年間を作り上げた。

 自分達は勉強に励んでいた事。地層を調べるだけでなく、天文学など幅広い分野を学んでいたとも話して聞かせた。天文学にはオービルも関心を持っていた。

「もっと大きな望遠鏡が作られれば、天文学は大幅に進歩するだろうね」

 オービルはそう言った。20世紀初頭では、この考えは先を行き過ぎた考えだ。ウィルとオービルがどれだけ最先端の考えを持っていたかが分かる。

 梨奈が「架空の四年間」の話をしている内に、少しずつライト兄弟にも笑顔が見えるようになっていた。

 だがウィルの勧めで皆が眠ろうとした時、「彼ら」が再び訪れた。前触れなど一切なく。

 カーテンが勢い良く煽られ、風が「振れた」。

 「彼ら」。ダデュカとレリュが厳しい顔つきで祐樹達の眼の前に現れた。二人にはライト兄弟を初めて襲った四年前の衝動的な様子はなく、物静かだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ