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祐樹の告白 1

 それから二日間、祐樹達はテート夫妻宅に泊まった。ライト兄弟は「フライヤー号」を解体し、車に収めた。

 足早に時間が過ぎていき、祐樹達はデイトンへ戻る準備を始めていた。そして、祐樹達がキティホークを後にしようとしたその時。彼らのもとに余りにショッキングな知らせが届いた。

 ……ラングレーが自殺したのだ。

 新聞の第一面に大きく記事が載せてあった。見出しは「論争の中心人物、ラングレー教授自殺」とあった。

 記事には遺書の一部が掲載されていた。

「今回の騒動で世間を騒がせたのを深く謝罪する。だが私の告発が科学者としての良心から来るものであったのは、私自身疑いのないところである」

 記事を前にしてウィルもオービルも言葉を失った。梨奈はナイーブに口元を幾度も拭っている。

 祐樹は激しく動揺した。自分が関わった事件で一人の人間が死んでしまった。そう思うと祐樹は体が凍てつくような感覚を覚えた。祐樹は寒けがして、震えた。両目頭を抑え、声を押し殺す。

 ウィルとオービル、テート夫妻が何か話をしていたが、中身は祐樹の耳には入らなかった。梨奈が祐樹の腕に優しく触れる。祐樹はそのおかげで辛うじて心のバランスを取ることが出来た。

 ラングレー教授自殺のニュースが届いた日。その日は祐樹達がデイトンに戻る日だった。テート夫妻は祐樹達を気遣い、早めに出発するよう勧めた。

 それからしばらくの間、記憶が祐樹にはなかった。

 荷造り、資料の整理が問題なく終わったのを見ると、祐樹の体と手は動いていたのだろう。でもそれは何一つ祐樹の心に残っていなかった。

 帰りの車内でもラングレーの話が上ったのだろうか。それともみんな押し黙ったままだったのか。それさえも祐樹は覚えていなかった。

 気がつくと祐樹はデイトンのライト兄弟宅。用意されたベッドに横になっていた。


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