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祐樹の決意 2

 その夜、祐樹は不思議な高揚感で眠れなかった。梨奈が毛布にくるまり、ベッドに横になると祐樹に話し掛ける。

「なんかさ、ウィルさんもオービルさんも、ゆったりしてるよね。大変な時期なのに。ウィルさんは私のワガママにつき合ってくれるしさ」

「うん、そうだね」

 梨奈は眠たげに話を続ける。彼女は半分夢の中という感じだ。

「なんかさぁ。私、初めてタイムワープ? した時にさ、早く現代に戻らなきゃって、そればっかり考えてたんだけどさ」

 梨奈は今にも眠りに落ちそうな口調だ。

「それなのにこんな生活が続くのも悪くないかなぁなんて、そんなことをさぁ……」

 梨奈の言葉は途切れ途切れになる。

「思い描いたり……してね。分かる?」

 祐樹は黙って聞いていた。梨奈の声はだんだん先細りになり、寝息へと変わっていく。それを見計らい、祐樹はベッドから起き上がると、窓際に立ち、夜空をしばらくの間見つめた。そして自分の気持ちを整理した。

 ガトゥ、紫紺の羽根団ともに手段は選ばない。だけど両方理想がある。その事実は祐樹の心を揺さぶった。祐樹は切なくなり、ふと梨奈のベッドに歩み寄る。

 梨奈は瞳を閉じて、静かに眠っている。祐樹の胸に梨奈の笑顔がかすめる。自分に出来ることは限られている。それならばせめて梨奈だけでも無事、未来へ帰らせよう。そう祐樹は心に決めていた。

 そう思うと祐樹の心に明かりが灯るようだった。その灯を頼りに祐樹は自分を奮い立たせると眠りに就いた。


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