千日紅
机一面にかかれた落書き。
消せと言われて消してしまった、それが私たちの友情の証。
なんでも、女子間の友情と言うものは、紙を破る。いや、のれんに腕押しくらい簡単で、運命の赤い糸より絡まっているらしい。
私の親友(だと思っていた)グループは、案外そうではなかったみたい。
机に書いた落書きを消した事から、私は、すぐに1人になった。
案外、1人というものは楽しい。きっとこの意見を持つのは、私だけであっても覆さない。
これほど単純で明快で簡単ならば、なんで早くならなかったんだろう。なんて1呼吸。
高校生だ。休みたくても休めない。
足取りは重く、太陽の光が鬱陶しおしく感じる。
―あ。いつもの立ちくらみ。
不意に倒れていく私。
道路の向こう側に、あのこがいた。
「ねぇ、さぁ。あのこいつも1人だね」
「仕方ないでしょ。キモいし」
「でもさぁ、可哀想じゃね?」
「でもでも!声かけようとは思わないよね!」
「「「ねぇそう思うでしょ?」」」
―「うん」
目を覚ましたのは、白い異空間。
心配そうに見つめる先生と、椅子に座って本を読んでいるあのこがいた。
どうして。
目をさました私に、先生は安堵し病室から出ていった。
「ねぇ、なんでいるのよ」
「答えてよ」
「私を憐れんでいるの?」
「それとも――」
「ねぇ、その花頂戴」
疑問と一緒に不快感がこみ上げてくる。
「別にいいよ」
侮蔑の声が出た。
「この花、入院にはふさわしくないね」
「え?」
「ベロニカ、花言葉は“常に微笑みを持って”」
「さっきの問いに答えを返す」
「私がここにいるのは、学級委員長だから。ただそれだけ」
「私からお見舞いの花」
千日紅、花言葉は“終わりのない友情”
その子は推薦で違う高校にいってしまったけども。
この花を見るたびに私は勇気が出る。
もう、あえないわけじゃない友人へ。
花言葉って何か乙女な感じがしますよね。
「ズッ友だょ…!」ネタから連想した訳じゃないんだよ、本当だよ。