位置情報測定中
「ここはどこだ?」
思ったより幼い少年の声が出て思わず喉を押さえる
いや身体的な異常は無い
だが喉仏も無い
肌は色白で見たこと無いくらいスベスベだ
「これが金髪イケメン……」
しばらく自分の身体をベタベタ触っているが
さすがに気持ち悪い事をしていると気付きやめる
神様に色々と質問しなかった事を後悔した
そもそも何で少年になってるんだ?
――
周りを見回しても建物らしきものは無い
木の種類は違うがジャングルと言った方がイメージしやすいだろう
地球とは違うとすぐ分かるのが
・月のような白く霞んでいる衛星が2個見える事
・地面からほのかに光りの粒が湧いて浮き出ている事
生き物が居ないのか不思議と物音も少ない
風で葉っぱがサラサラと音をたてるのだけが聞こえる
「さーて どうしたもんか」
思わず独り言が出る
肉体は幼くなってもおっさん病だな
とりあえず
良くありがちな転生特典が無いか持ち物をチェックする
バッグとかそういった物は無いな
ファッションチェックのように身体を捻りながら自分の姿を確認する
西洋の村人Aという感じの手縫いされた服装だ
生地はゴワゴワしてるが現代で売っていたらむしろ高級品だろう
旅行先の民芸品として数万円で売ってそうだな
服の感触をパンパンと確かめながら
金の話しを考えてるのに思わず笑う
異世界に行っても「お金は大事だよ~よく考えよう」
――
「んっ?」
ポケットに何か入っている
あースマホっぽいな
既視感ある感覚により安心して取り出す
「何だコレ?」
スマホのようだけど画面が無い黒い物体
ひっくり返したりしてると表面に文字が浮かび上がる
『位置情報測定中』