異世界から始まる
「腹いてえ~ 異世界だからって調子乗ってキノコ食うんじゃなかった~」
森の中 うずくまる10歳くらいの少年
名前は 引籠 新人
初めての食事は 見た目がカワイイ赤いキノコ
「うぅ~……神様、お願いだからこの痛み取ってください……これまでダラダラ生きてきたの、ちょっとは反省します……」
普段は神なんか信じないが、腹が痛いときだけ人は祈る
トイレには神様が居るのだ
――
「……んっ?神様?」
ニートは閃く
「この前会ったじゃん神」
「OKゴーグル “腹痛 治す方法”」
神様から貰った個人認証端末ーゴーグル先生に音声認識で尋ねる
「はい 腹痛はキツくて神に祈る人が1番多い項目です
【大量加入割引キャンペーン】 1転生ポイントで腹痛回復が取得できます」
合成音声が静かな森に響く
空中に半透明の画面が浮かび上がる
『ー初回利用のため パスワード認証が必要ですー
この端末を信用する場合 次回から認証を省略出来ます』
「異世界なのにログインとは」
右手で腹をさすりながら、震える左手で生前のゴーグルパスワードを入力する
もちろん信用する端末にもチェックを入れる
『※パスワードが“古すぎます” 制限付きモードで実行します』
「うわっ……私のパスワード古すぎ……!」
『 認証完了 』
――
痛みがスッと引く
何か違和感はあるがそのうち治るか?
「ふー 異世界に来てそうそう神に祈る事になるとは」
ニートは立ち上がる
『カチャ』
金属のような音が響くが、小さくて気づかない
どうして異世界に居るのかは時間を少し遡る