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喫茶 にじいろ

チリンチリン


喫茶店に入るとちょっぴり窮屈な間隔で

テーブル席が5席ほどあり奥の席では2組の客がランチを楽しんでいた。

お店の雰囲気は家庭的な感じ。

インテリアに統一感はまるでないが、

懐かしい感じがする、例えるならば実家に帰ってきたような気分だった。


どこで占いするんだろう?


年配の女性スタッフがやってきた。

尋ねてみると

「あ、占いね」

にこやかにさらに奥の個室へ案内された。


飲み物を注文し、占い師の前に座る。

店員は退室しながら静かに個室の扉を閉めた。

一気にマンツーマンの空間になった。


『こんにちは』

少し赤茶にカラーを入れたショートカットの似合う明るい雰囲気の占い師さんだった。

『リリといいます。』

片耳には青い羽根のイヤリングが揺れていて、大き目なペンダントをしている。少し白濁してレモンがかっている石はリビアングラスに見えるが聞きそびれてしまった。


身構える暇もなく他愛もない話が始まる。


自然と仕事を休んでいる話になる。


『あら、私とおんなじね。』


え?


『私も交通事故で右手を怪我してからね。働けなくて、仕事を休んでいるの。示談は終わってないけど、仕事上の色んな手続きは見通しがついたから今月で退職なの。』


なんか来てみようと思ったのはそれだからかもしれませんね。


かまこはこの2、3年で自宅療養も経験しているし、仕事上の手続きの意味がよく分かった。介護で社会保険の勉強も少ししたから、その大切さが自分の事のように分かるのだった。お金がなければ生きていかれない。だから働いている。けれど働けなくなったら、色んな社会資源を利用できるのが、この日本の制度だ。


『退職するなら、そのへんちゃんとしてからよ。』


現実的だ。良かった。


『じゃ、はじめるわよ。』


はい!






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