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マブイ拾い

かまこは暇だったから動画配信サービスで怪談とか不思議な話をよく視ていた


その日なんとなく視ていたチャンネルで

沖縄ではびっくりして魂が抜けたようになった時その場所に戻って魂を取り戻してくるのだと話していた。

それをマブイ拾いというそうだ。


ふと

あの彼の奥さんが電話に出た時の感覚を思い出した。


なぜ今頃


もう過ぎたことなのに


立ち直っているはずなのに


お兄さん先生の言葉が重なる


「ずっと前からのものでしょうね。年輪のようになってて、まだ深いところ⋯」


私は何処に居るんだろう?


今確かに存在してここにいるけれど

あの時飲み込んだ彼への気持ちと一緒に全てあの場所に置いてきてしまったような気がした。


次の日には自然とその場所へ向かっていた。


勤めていたクリーニング店はもうなくなってしまっていた。


地主の人が宝くじ店を経営していた。


宝くじを見るフリをして中に入ると

その頃の気持ちが蘇ってきた。


懐かしい思い出だ。


未熟ものだったからよくお客様に怒られた。


朝10時から夜20時まで働いた。


休みは週1回だった。


暇な時間もあったから外を眺めながら

どこか遠くへ行きたいとぼんやり思うことが多かった。


そんな時彼に出会った。


結婚しよう。


そう言われて、この檻から出られると浮かれていた。


宝くじ売り場から外に出て


電話をかけた場所を探した。


確か柱があって⋯


このあたりだ。


足を止めた。


少しゆっくり息をしてさらに深く深呼吸した。


色んな気持ちを思い出した。胸が少し重くなる。


決していい感情ではない。


でも、忘れてはいけない。


あなたはわたしなんだ。


ずっとひとりにさせてしまっていたんだ。


一緒に帰ろう。


かまこは20年前のキモチを手繰り寄せるように深く息を吸って少し止めた。


今の自分に戻るように息を深く吐いて


その場を後にした。

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