イケメンくんはデビューした ─1
なんとか、裁判を放課後に回すことで丸く収まった………。いや全然丸くないかも、出来たとしてもいびつな丸っぽいかもしれないが………未来の俺頼んだぜ☆
「よっす、久しぶりだな!圭」
「円瑠…お前だけ時間進むの早くね。たかが17時間35分43秒ぶりだろ?」
こいつは昨日知りあったばかりだけど、なぜだか気が合う
「何で秒数まで覚えてんだよ…」
「俺、からくり仕掛けの人間だから」
「リアル体内時計!?」
やっぱ、友達と冗談を話せるなんて良いことだと思う。前の学校だったら真面目な性格の人間を演じてたから気が休まらなかったんだ。これも環境を変えたおかげかもな………
そんな風に軽い冗談を交わしていると、俺の机の方に一人の男子生徒が歩いてきた。
「イケメンがなんかこっちに来てないか?」
「気のせいだろ……多分」
多分違うだろ……なんか陰の影なんて全く見えないどころかあの人そのものが陽のオーラしか見えません!誰かサングラスをお持ちの方いらっしゃいますか?じゃなきゃ圧倒的なオーラで失明しちゃうかもしれないよ!!
戦々恐々とした気持ちでそいつに話しかけた。
「え、えっとどちら様でいらっしゃいますか?」
なんか変な日本語になった気がする
「僕は青山 海李っていうんだけど…後でお話良いかな?」
笑顔で話しかけてきた。眩しいよ…陰の者には…
「いや全然いいよ!というか大歓迎なんだよ(緊張)」
「よかった……じゃまた後でね!」
嬉しそうに自分の席に行くイケメン君
二人が思ったのは
「「何なのお話って!?俺たちなんかやらかした!?」」
「どうしよう。なんか気に障るようなことしちゃったのかな!?」
「ヤバい、そうだとしたら俺もう学校で生きていけないかも。ちょっと東南アジアに逃げるわ」
「なぜ外国。普通に早退すりゃいいじゃん」
「確かに」
でも、いくつか不思議に思ったことがある。
まず1つ目は、たかが陰キャに話すだけでうれしそうにしていたところだ(自覚済み)
あんなにもイケメンなら一軍と話していたほうが楽しいのよ……俺なんてつまらんし(涙目)。
そして2つ目、あの時の彼からは、怒りよりも何処か安堵しているような気持ちが伝わってきた。
「これらのことから導き出されるのは………!」
「なんだよ突然」
「いや〜巴瑠くん。俺にはあのイケメンくんが話しかけてきた理由がわかってしまったようなのだよ……」
「なんだそのキャラ」
「黙って聞けや☆」
「はぁ……」
「コレはズバリ……俗に言う陰キャに優しいイケメンくんのことだ〜!!」
「な、なんだってぇ〜!?ってなるかアホ」
巴瑠は思わず圭の頭を叩いてしまった。
「痛っ。何をするんだね!」
「そんなんいるわけがないだろ……」
うん、薄々気づいてた
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