朝になったら起こしてね
外は雪。寒くて真っ暗な部屋の中はお昼の喧騒が嘘のよう。
君たち人間には見えないかもしれないけど、僕は暗くてもよく見えるんだよ。
だから子どもたちが片付け忘れた積み木の迷路だって、ぶつからずにスイスイだ。
軽快に障害物の間を駆け抜ける僕って凄い!
ってありゃりゃ。調子に乗ってるそばから積み木を踏んじゃった。
やっぱり最近ちょっと見えづらいかも?
いつも可愛い可愛いって撫でてくれるけど、僕も結構年を取っておじいちゃんなんだ。だから可愛いはちょっと恥ずかしいかも。
でもやっぱり嬉しいかな。
ねえ君は今どんな夢を見てる?
その夢のなかに僕はいるかな?
僕もさっきうたた寝したとき今と変わらない君がいてね、ちょっぴり若い僕と遊んでくれる夢を見たんだよ。
凄く楽しかった!
でもね、夢のなかで遊んでいてふと思うんだ。このまま、ずっと夢のなかだったらどうしようって。
だんだんね、夢の時間が長くなってきてる気がして、もう起きれないかもって不安になるんだ。
元気いっぱいに遊べる夢のなかも楽しいんだけど、僕は今の君ともっと一緒にいたいな。
ふわぁ〜
そう言ってたら眠くなってきちゃった。今日は寒いから君の隣で眠るよ。一緒に寝るとね、夢のなかに君が出やすいんだよ。
さらに顔を擦りつけると 、もっと君が出やすくなるんだ。これとっておきのおまじない。
でもね、朝になったらちゃんと起こしてよ。夢のなかで撫でられるより、起きてるときに撫でられる方が好きなんだ。
…………
頭を誰かが撫でてくれる。むむむっ、尻尾を触られるのあんまり好きじゃないな。
こんなことするのは君だね。
僕は目を開けると君の顔を見てミャー、ミャーって、おはようと抗議の声を交互に言ってやるんだ。
ごめん、ごめんと笑う君の顔が見れて、今日も幸せだよって言葉もさり気なく混ぜてね。
自分の飼っている猫を見て、いつかお別れの日が来てしまうんだよなとふとしたとき思ってしまいます。
この子を幸せにできてるんだろうか?そんな思いを持ちつつ、猫がこう思ってくれたら良いなと言う願望を込め書いてみました。
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