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01 あっ
中学生の頃。
お金がなくなった。
ほぼ全てのお札が、一瞬でなくなった。
財布はカラになっていた。
中学生だったから、まあまああった。
それが、一瞬でなくなったんだ。
パニックになる。
同じ学校の人に、遊びに誘われた。
でも、お金が無かったから、お金が無いと答えた。
すると、一緒に遊びたくないから、嘘ついてるんじゃないか、と言われた。
本当だった。
本当に、一瞬でなくなったというのに。
思い返してみた。
「あっ」
そこで、ピンときた。
思い出して、恥ずかしくなった。
その頃は、ピン札憧れがあった。
ピン札を持っていたい願望が強かった。
だから、重しをして伸ばしていたのだ。
その伸ばしていたものというのが、分厚いコミック雑誌の中だ。
10冊ほど積み重なった、分厚いコミック雑誌の一番下の、表紙裏に挟んであった。
以上が、嘘みたいな実話です。
信じてくれたら、お礼します。
信じてくれたら、短時間でお札をピン札風にする方法を教えてあげます。
まとめます。大事なものは、何かの間に挟まない方がいい。