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「神子と女神の冒険」 外  作者: スルー
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アレリア、少女たちとの出会い

 私は今、仕事で人に会うためにナットリアッドに来ていた。この街は宝石が特産で質が良い、しかし行き来するのが大変である。仕事柄馬車を扱うのは得意なのでいつも護衛となる冒険者と専属契約を結んでいるのだが、残念なことに今回は都合が悪いようなのでギルドへ求人を出しておく。

 依頼料は高めに出しておいたのですぐに決まったと連絡が来る。命を預けるのだから当然相手の実力は知っておきたかった、すぐに顔合わせをするとそこで待っていたのは、まだ若い少女と子供、しかも獣人じゃないの、私は獣人が嫌いだった、頭が悪くてすぐに手が出る、話しを聞かない、苦い経験から意識的に避けていた。

 職員が説明を始める、少女はとても優秀だった、国に数人しかいないランク★4者だ、もしかして獣人も期待出来るかしら?

 はぁ…やっぱり!!、実力者というけれど登録すらしてない子供じゃないの!!、でも少女は貴重な娘だからいて欲しい、一人では厳しいだろうから新たに雇えばいい、話しを持ちかけた。しかし少女は獣人が一緒じゃないと受けないと言う、馬鹿じゃないのって思った、お仕事終えた後でまた合流すればいいじゃないの!、伴う実力があってこんな報酬の話しを蹴る冒険者がいるなんて思っていなかったわ…。

 話しを聞けば今回の報酬額すら聞いてなかったと言うじゃない、よくこんな優秀な娘が直ぐに来てくれたもんだと感じたわ。獣人は信用はしないけど信頼は出来る子ね、と今回は妥協することにした。


 帰るために馬車を引き取り準備してから門へと行くと既に前から待っていたように準備していた、感心ね。

 門を出て砂地対策を行おうとすると獣人に止められてしまいイライラしてしまう、文句を言うと近寄ってくるので、やっぱりどんな子でも獣人は獣人、頭が悪くて暴力的だと身構えた、しかし想像とは違い獣人は馬車に?魔法を使ったようだ、魔導具は要らないと言ったから要らないのだろう、違ったら絡んだ分だけ引いてやるわ!。

 護衛二人は自分たちのやり方があるのか事前に話し合いを持ちかけてくる、不測事態に備えるのは良いことあまり事前に連絡してくる人は少ない、やはり優秀であることは間違いないのだけど……、…何かしら?分からない!その内容がおかし過ぎる、勝てない相手(魔物)がでたらどうするかはわかる。

しかし、見張りはしないけど気にしないで進んでていいって危ないじゃないの!?、

 馬を休ませないって、疲れて走らなくなっちゃう上にいうことを聞かなくなっちゃうわよ!?、

 あげくには魔物からの襲撃が起きても放置でいいって、壊れるわ!死ぬわ!?

 色々問い詰めたいが時間がない、彼女達のやり方があるのだろうと無理矢理納得して出発することにする。

「!?」

 進み出しから馬も車輪もおかしかった、まるで宙を走っているように抵抗がない、これだけの大掛かりな物を動かしているのにもかかわらずにだ。たしかにこれなら魔導具は要らない、獣人の子がやったことの凄さがわかる。

「二人とも…」、首を振って否定した。

 普通より何倍も速い、運転も楽だ。

そして、見張り云々の意味がわかる、索敵も覗きもしてないのに魔物が来ると反応して倒している、すごい!

 順調に進んでいると、初めて馬車を止めるように指示される、馬車を止めると獣人は慣れたように馬を解放し馬車に寄せている、何で!?、逃げないでいうことを聞いて…指示してないから、意思を伝えて馬が汲み取っているのかしら?分からない

 数秒後にはかなりの大音量が響く、魔物だ!?場所は下らしい!私は誘導されるがままに行動した、クラギーが出たと…、詳細は知らないが、動く災害と呼ばれている、かなり珍しいとても凶悪な魔物。もうそんなのに出会ってしまったら、混乱や恐怖よりも諦めしかない、死を覚悟していたがほんの数分、永遠とも感じた僅かな時間、終わったよーと声が響く

「え?」

意味が分からなかった、何が終わったの?

 見てみるともうのんびりと獣人は馬を戻し、少女は楽しそうに笑っている

 助かったのだ、理解するのはあまりに普通過ぎて一瞬だった

「助かったわ、ありがとうございます」

何でもないお礼ですら二人とも嬉しそう

あぁ、本当に素直で良い子たちだとあんな態度を取っていたのが恥ずかしくなってくる

 それからは反省して、何気ない会話をふると何でも楽しそうに返してくれる、ありがたかったし私も楽しかった。

 そして驚いたのはご飯もくれるのだけれども、保存食などではなく温かい本格的なご飯だったこと、この二人を知ったら他の人では不満に感じてしまうほど、商人としては囲いたいがそれは絶対に(・・・)したくない。

「フフッ♪身勝手過ぎる考えね」

自分の考えにおかしくなって笑ってしまった

 規格外な優秀な冒険者との帰宅となったのであった。

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