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イヤホンを耳に押し込んでドアノブに手をかける。



しばらくの空白の後、白い光が飛び込んでくるように音が流れ出し、心が生き返る。なつかしい都会の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、足を踏み出した。





 「さっむ……」

いつも通りの見慣れた景色が僕をおそう。

いつも通り、ではないか。葉が落ち、空気も冷たくなった。十月後半、そろそろマフラーの欲しい季節だ。


何より寒いのは足。こればっかりはいくら重ねても寒い。重ねるのにも限界がある。


ピロン、とイヤホン越しにメッセージアプリの通知音が聞こえる。スマホを取り出すのもだるいので無視しつつ、ついでにチラシ配りの手も無視する。

人でごった返す駅の改札を人にもまれながら、これまた人でごった返す電車に乗り込む。


熱気でメガネが曇ってしまった。何度コンタクトに変えようと思ったかわからない。しかし僕は目に直接異物をぶち込むことに抵抗があるのだ。

マスクを年中つけている僕にとっては苦痛でしかないのだが仕方がない。


横のおっさんの禿げ頭を眺めて「すっげえ」なんて思っては曇った眼鏡をふいた。

 


と、その時、僕はある異変に気付いた。おっさんの手が妙な位置にある。主に女性が腰に巻く布、とでも形容しとけばいいだろうか、などと心の中でふざけてみる。その布の下方にあるのだ。そしておっさんの手には薄暗く光るスマートフォン。僕は何かを察した。


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