94
彌眞は途中で、副官達の一軍、そして後から駆けつけた仲間と合流していた。
彼が遅れをとっている内に、騎馬隊が通りかかる。
彼は騎馬兵の後ろには乗せてもらい、共に邪馬台国を目指す。
「急げ、急ぐのだ」
副官は叫び、兵達を鼓舞する。
邪馬台国を間近にして、軍の勢いは増す。
丘を一気に駆け上ると、邪馬台国が見えてくる。
「進め、進め!」
副官は声の限りに兵たちに命じる。
国の大門をくぐると、彌眞は馬から飛び降り走り出した。
後方に備えた蘇奴国軍と副官の軍が激突する。
勢いそのままに、邪馬台軍は押し込み、前方の軍と挟撃する形となる。
彌眞は敵味方入り乱れる乱戦をかいくぐり、ひたすら走った。
「お前は!」
走る彌眞に、兵が叫ぶ。
「あなたは!」
叫んだ兵は、蘇奴国軍の副官だった。
彌眞は気づけば敵軍の真っただ中にいた。
「鏡片を持つ者か」
副官は鉄剣を身構えると、彌眞に襲いかかる。
「我らは、一人の鏡片を持つ男により、多くの兵を失い、今まさに窮地に立たされておる。おのれっ!」
「鏡片を持つ者?余波の事か、王はどこだ!」
彌眞は副官の剣撃をよけながら叫ぶ。
「言うか!」
副官が大振りの一撃で彌眞を仕留めようとした瞬間、彼は手刀で副官の剣を持つ両手首を一閃した。
剣が弾き落とされる。
すばやく拾い上げ、副官の喉元に突き立てる。
「王の行先を知りたい」
「言わないと言っている」
副官の危機を察した蘇奴の兵が二人の周りを取り囲む。




