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木々の間から射し込む木漏れ日の光の眩しさに、十六夜はゆっくりと目を開ける。
見れば木葉に雨滴がついていて、それが陽光によって照らされ乱反射している。
十六夜の瞳にその光が飛び込んでくる余りの眩しさに、一度、目を閉じまたゆっくりと開く。
木々は濡れ、地面は至る所に水溜まりが出来ている。
生い茂る木々や枝葉が傘となって、雨をしのいでいた。
(雨が降っていたの)
十六夜は、雨が降っていたことにも気づかず、眠りこけていた自分に驚愕する。
隣の彌眞は、いまだ心地よさそうに寝息を立てて眠っている。
安心した十六夜は、上半身を起こすと、両腕を高々とあげ、思いっきり伸びをする。
「うーん!」
「あっ、起きられましたか、十六夜様」
采乎が葉の隙間から顔をだす、手の平には木の実を乗せている。
「采乎さん」
まだ、ぼんやりとしている頭で彼女の名を呼ぶ。
「お身体は大丈夫ですか」
采乎は嬉しそうに、彼女を気遣い尋ねた。
十六夜はそれを聞いて、立ち上がると、痛みはないかを身体を動かし、しっかり確認する。
(・・・痛くない)
十六夜は微笑んだ。
「ええ、大丈夫です」
采乎も微笑み返して、頷く。
十六夜は最後に、右腕を強く振ってみる。
やはり、火傷の後遺症もあり、痛みがあって彼女は思わず顔をしかめる。
采乎はその傷は、まだまだといわんばかりに、手を振ると、
「さ、さ、まずはお食事を、丸一日半も寝てらしたので、しっかり食べてください。ほとんどの食料は余波殿が持って行っちゃったので、お粗末なのですが」
と、申し訳なさそうに采乎は、十六夜に木の実を差し出す。
十六夜は彼女の言葉に目を丸くし、
「私達は一日半も寝ていたのですか!・・・余波様は先に行かれた・・・」
十六夜は、大声で言い、残りは呟いた。
その声にびくんと身体を震わせ、彌眞が跳び起きる。
二人は、その動きの激しさにびっくりした。




