表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/108

66

 木々の間から射し込む木漏れ日の光の眩しさに、十六夜はゆっくりと目を開ける。

 見れば木葉に雨滴がついていて、それが陽光によって照らされ乱反射している。

 十六夜の瞳にその光が飛び込んでくる余りの眩しさに、一度、目を閉じまたゆっくりと開く。

 木々は濡れ、地面は至る所に水溜まりが出来ている。

 生い茂る木々や枝葉が傘となって、雨をしのいでいた。


(雨が降っていたの)


 十六夜は、雨が降っていたことにも気づかず、眠りこけていた自分に驚愕する。

 隣の彌眞は、いまだ心地よさそうに寝息を立てて眠っている。

 安心した十六夜は、上半身を起こすと、両腕を高々とあげ、思いっきり伸びをする。


「うーん!」


「あっ、起きられましたか、十六夜様」


 采乎が葉の隙間から顔をだす、手の平には木の実を乗せている。


「采乎さん」


 まだ、ぼんやりとしている頭で彼女の名を呼ぶ。


「お身体は大丈夫ですか」


 采乎は嬉しそうに、彼女を気遣い尋ねた。

 十六夜はそれを聞いて、立ち上がると、痛みはないかを身体を動かし、しっかり確認する。


(・・・痛くない)


 十六夜は微笑んだ。


「ええ、大丈夫です」


 采乎も微笑み返して、頷く。


 十六夜は最後に、右腕を強く振ってみる。

 やはり、火傷の後遺症もあり、痛みがあって彼女は思わず顔をしかめる。

 采乎はその傷は、まだまだといわんばかりに、手を振ると、


「さ、さ、まずはお食事を、丸一日半も寝てらしたので、しっかり食べてください。ほとんどの食料は余波殿が持って行っちゃったので、お粗末なのですが」


 と、申し訳なさそうに采乎は、十六夜に木の実を差し出す。

 十六夜は彼女の言葉に目を丸くし、


「私達は一日半も寝ていたのですか!・・・余波様は先に行かれた・・・」


 十六夜は、大声で言い、残りは呟いた。

 その声にびくんと身体を震わせ、彌眞が跳び起きる。

 二人は、その動きの激しさにびっくりした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ