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 彼女達は長い間待たされた。

 すでに陽は落ち、夜の帳がおり、門の両端におかれた篝火が赤々と燃やされた。

 上空を見上げれば星がでている。


 篝火の炎が、十六夜の俯き加減の頬を照らしだす。

 彼女はゆっくりと視線を彌眞の方へと向ける。

 采乎はくたびれたらしく、彌眞の頭を膝に置いて地面にへたりこんでいる。


 すると、年老いた老人が兵士達をかきわけて十六夜の前に現れた。

「そなたが、邪馬台国の使者か」

 老人は彼女を値踏みするような眼差しで見つめる。

 その風貌、物腰、貫禄から見て、十六夜はこの老人が長であると判断した。


「はい」

 十六夜は答えた。

「して、いかなる用か」

「このクニにしばらく滞在させていただきたいのです」

「ほう」

「怪我人がいるのです」

 長は彌眞を見ると、頷いた。


「なるほど・・・じゃが、蘇奴国の者がいると聞いたが」

 長がそう言うと、兵士達からはそうだという責めたてる声が聞こえる。

 采乎はキッと周りの兵士を睨む。


「采乎さんは私達の世話をしてくれて、命を助けてくれた恩人です。決してあなた方が思うような人ではありません」

 十六夜は幾分、語気を強めて、長と兵士達に言う。

「が、我々もたくさんの民が蘇奴国におった・・・そのほとんどが殺されたと聞く・・・我々の気持ちも分かってくだされ」

 老人はゆっくりと彼女達に諭すように言う。


「では、この鏡を」

 十六夜は分かってもらおうと願いを込めて、鏡片を長に渡す。

 長は手渡された鏡片を眼前に持ち上げてみると、ゆっくりと頷き、十六夜へ返す。

「確かに邪馬台国の鏡だ」

 老人がそう言うと、周りにどよめきが起こる。



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