表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/108

39

 彌眞は必死に扉に体当たりをして、脱出を試みるが、入り口を大木で塞がれていて、びくともしない。

 十六夜も一緒になって体当たりするが無駄であった。


 一瞬のうちに倉庫のすべてを覆った炎は、じわじわとすべてを灰燼とすべく、侵食

しはじめる。

 次第に倉庫内に高温の熱が溜まっていく。


「熱い!」

 彌眞が叫ぶ。

「まだ死にたくない!」

 十六夜は悲嘆にくれる。


 が、二人はまだ体当たりを続ける。

 板の隙間から炎が噴出し火の海と化す。

 見れば互いの身体は火傷だらけだ。


 十六夜は全身傷だらけで、長い髪をふり乱し体当たりを繰り返す。

 彌眞は続けようとする十六夜の片手を掴むと抱きしめた。

「もう駄目だ」

 そう呟く彌眞の胸に、十六夜は顔を埋めて静かに目を閉じる。

「はい」

 お互いに覚悟を決めた。


 ・・・その瞬間、入り口の大木が打ちつけられる音がする。

「大丈夫ですか」

 声の主は采乎だった。

 二人の顔が喜びへと変わる。


「大丈夫です」

「良かった。すぐに助けますね」

 采乎の安堵した声。

 後、彼女の雄叫びがあがる。

「うりゃあ」

 彼女の勇ましい雄叫びと共に、倉庫全体が揺れるが、大木は動かない。


 二人は再びあきらめ顔となるが、采乎の気合は衰えず大木を懸命に壊そうと試みている。

「もういい、采乎さん逃げてください」

 と、彌眞。

「このままでは、あなたまで死んでしまいます!」

 十六夜は叫ぶ。

 彼女はそれを無視し続けて、二人を助けようと破壊行動に没頭している。


「くそっ!」

 彌眞は床を思いきり踏んだ。

 その時、ずぼっと激しい音がして床が抜ける。

 二人が空中へと投げ出される。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ