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二人は邪馬台国連合で最も南に位置する蘇奴国に到着した。
敵対する狗奴国の最前線に位置する。
その為、敵に備えてクニの周りに二重の環濠と内側に土塁を盛ってある。その上に木柵が張り巡らされておりものものしさが漂っている。
このクニには三枚目の朱雀の鏡片を持つ者がいる。
十六夜達は蘇奴国の竪穴式住居集落を抜けて、小高い丘にある居館に向かっている。
(おかしい・・・)
彼女は考える。彌眞の様子が変わってしまったのはあの夜。
(あの時、何があったのか)
十六夜には分からない。
夜、盗賊に襲われた。
(彌眞に何があったのか)
あの夜の事を思い出そうとするが、自身も恐怖で精一杯だった。鮮明に覚えているのでもなく、断片的な記憶から探り出すも心当たりがない。
分からないものは分からない。
「よし」
(本人にもう一度、聞いてみよう)
十六夜達は居館の中へ入る。




