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 母は訝し気に首を傾げ、

「彌眞殿、伊都国を出立される時に説明はなかったのですか」

 彌眞は少し恥ずかしそうに、

「いいえ、詳しくは自分の目で確かめろと言われまして」

「・・・自分の目で」

「はい。何より感じて経験することが一番だと」

「成程、合点がいきました。それでは話を戻しますか」


「十六夜様、あなたはどう思いますか」

 母は娘に問いかける。

「私も彌眞殿と同じ考えです」

 母は頷いた。


「あなた方が導き出した鏡のことを少しだけ補足します。鏡片はあと二つ。それを持つ者を探し出すこと。おばあさまが言われたのは、西の白虎は弥奴国、南の朱雀は蘇奴国というクニに鏡片があると言われました」

 母はすーっと息を吸い込み、続ける。

「いいですか、あなた達は四鏡片を集め、かつて鏡片を担い邪馬台国のクニグニに平和をもたらしたおばあさまや英雄たちと同じく、卑弥呼様と邪馬台国、連合するクニグニを守護するのです」


 母から告げられた使命に、彌眞と十六夜は責任という重荷を背負った気がした。身の引き締まる思いと、使命感、二人は押し黙ってしまう。

 母はまだ言うのが早すぎたかと思ったが、今言わねば事の重大性や真意は伝わらない。


「重い話を言いましたが、まずは自分達のやるべき事をしなさい。今を大事に、そうする事が使命を果たすことに繋がるのですから」

 母は優しい口調で二人に言い聞かせるように諭した。


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