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「では、彌眞殿、十六夜様、鏡をこちらに」
母は手前の床を指さし、鏡の一片を置くよう伝える。
彌眞は頷き、袋から鏡片を取り出す。
十六夜は首に提げた鏡片を外し、そっと置いた。
母はしばらく二つの鏡片を眩しそうに見つめた。
それから二つの鏡片を合わせてみる。すぐぴったり合わさる。
二つの鏡片が同じ青銅鏡だということが分かる。
母は、二度、三度、頷いた。
「彌眞殿、この鏡が意図する意味をおわかりか」
彌眞はじっと見る。鏡には亀と龍が描かれている。
「神獣鏡ですね・・・しかし、この鏡が意図するところまでは」
母はゆっくりと頷き、今度は十六夜に尋ねる。
「女王、神獣鏡の意味は分かりますね」
「はい。東西南北を守護する神獣です。東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武です」
母は満足そうに頷く。
「そうです。では、彌眞殿あなたはどこから来ましたか」
「・・・!そうか」
「わかりましたか」
「はい」
彌眞は得心がいった。
「この鏡片は、おそらく邪馬台国を中心として、私がいたクニは北の伊都国、すなわち玄武」
十六夜は後に続いて、
「この鏡片は邪馬台国より東・・・だから青龍」
「つまり、あとの鏡片は邪馬台国より西と南に存在するという事ですね」
「その通りです」
母は大きく頷いた。




