10 三、鏡の意味する事
三、鏡の意味する事
彌眞はじっと一室の天井を見つめている。長い間待たされっぱなしなので、ひたすら時間を持て余していた。
巫女に待機するようにと言われたが、いくらなんでも待たされ過ぎだった。
彌眞は堂々としていて肝は据わっていたが、じっとしていることが苦手だった。
ぐるぐると部屋を回ったりと、何とか時間を潰そうとした。
が、人恋しくなったので柏手を打ち巫女を呼び、無理を言って話し相手になってもらうように頼んだ。
その相手は先程、間違えたあの老婆だった。
老婆は彌眞と対峙しちょこんと座ると俯いた。長い白髪が前にまで覆いかぶさって彼女の表情が見えない。
ようやく来た話し相手に嬉しくなり、彌眞は矢継ぎ早に疑問に思っていたことを聞くが、返事が返ってこない。
辛抱強く話し続けるが、老婆は全く答えてくれない。
「・・・・・・」
彌眞はふっと溜息をつき呼吸を整えると、老婆からすーすーという寝息が聞こえた。熟睡している。彼はふっと自虐的に笑った。
彌眞はまた天井を見つめていた。
すると今度は自分にも眠気が訪れてきた。
頑張って目を開けていたが、今にも落ちてしまいそうだ。睡魔との抵抗虚しく、彌眞はうとうとしはじめ落ちてしまった。
それからどれくらい経ったのだろうか、ふいにバランスを崩した彼はビクンとなり、驚き起きた。
しばらくぼーっとしていた。
口から涎が垂れ落ちた。
周りを見渡す。はっとなった。
服の袖で床に落ちた涎を拭く。
その時、女王と十六夜が揃って部屋に入って来た。
彌眞は気を入れ直し、呼吸を整え、二人と対峙した。何事もなかったかのように。




