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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
剣士編

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剣初心者うさみ 110

 おジョウさんとの最初の晩は、多くの知見と課題を見出すことになった。

 様々な魔物と戦う際の連携。

 一人で戦う場合とは違う、一人が注目を引いてもう一人が隙を突くという、若葉組の頃から慣れている二対一のやり方を深化させ、魔物との戦い方の基本を身につけた。


 スキルの扱い。

 スキルを使わずに飛び級した動きを身につけるという修練からさらに一歩進み、スキルの扱い方を広げた。


 しかし課題はこの晩を使いつくしても達成できていなかった。

 魔法斬り、兜割り、どちらも高度なスキルであり、これに熟達して一つにまとめることははるか遠くのように感じる。


 魔法。

 完全に新しい世界であったが、存外適性があったようだ。しかしあくまで補助となるだろう。剣術道場の一員となるのに魔法を中心に置くわけにはいくまい。



 成果はともかく、多くの収穫と、基礎を積み重ねることができた。

 これらは夢の修練場を出たことで一度失われたが、本日の昼の修練で可能な限り取戻すことになる。

 思い出す魔法を目覚める前に復習しておいたため、時間を費やせば可能である。


 今日はハン師範は街の道場での仕事にあたるため、昼間もおジョウさんと二人ということになる。体を休める間には代官の教育を受けることになっているが、これはまだ本格的なものではなく、夕食から寝るまでの間の座学だけである。本来なら現場を歩き回る必要があるが、今はまだその時ではない。


 というわけで、本日は朝からスキルを獲得しなおすための修練を進めた。

 夢の修練場で使える時間に比べ、現実の時間は実に少ない。徹底的に追い込む必要があった。

 治癒促進スキルをガンガンに使いながらおジョウさんと打ち合っては食事をとる。基礎修練を突き詰めては食事をとる。魔法によって身体能力を限界まで落としてみては食事をとる。食事をとらなければ筋肉がしぼんでしまうのだ。

 無駄に膨れ上がるのもよくないが、必要分が足りないのはもっと困る。


 食事回数も増える。経費はバルディの給金から天引きである。厳しい。

 基礎修練中におジョウさんが用意してくれるのだが、スキルの再獲得は相手がいた方が効率が良かった。

 この時間をどうにかできれば足りない時間をもっとうまく使えるはずなのだが。


 しかし、現段階ですでに分不相応なほどに支援をもらっている。ハン師範の直接指導に、師範代に準ずる立場と能力のおジョウさんの独占、さらには夢の修練場。これ以上は贅沢というものだ。

 足りないならば自身の努力で埋めるべきである。これだけしてもらって足りないなどとは口が裂けても言えないだろう。

 半分以上一緒に修練しているおジョウさんに勝つためで、おジョウさんもこの時間で力を増しているとしても。


 地力を上げつつもおジョウさんを出し抜く方法を自身で生み出さなければならない。


 なんてことを考えていたところ。



「来ちゃったですの」


 来ちゃったですの。

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