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剣初心者うさみ 88

「“ようこそ夢の修行場へ”?“右を見てね”?」


 バルディが気が付くと目の前に掲示板があった。

 先ほど眠りについた記憶があるのだけれども。


 掲示板には「ようこそ夢の修行場へver0.3754」と書かれている。修行場へ、以降は意味が分からない。

 その下に「右を見てね」である。

 あまりの唐突さに、思わず目の前に書かれてある通り右を見る。

 すると、様々な長さの、剣が立てられた木材とも金属ともわからない不思議な光沢を放つ筒が置かれていた。

 筒は剣一本を立てておくには大きすぎるもので、一言で言えばもっと入りそうな印象を受ける。


「“好きなものを装備してね”形状と長さが違うだけかな。品質は、あまりいいものではない……どれも」


 片刃、両刃、柄の長さ、刀身の長さ、大きさ、重さなど、様々な種類があったが、共通しているのは剣であること。そして品質はそこそこのものであること。

 バルディの実家では数打ちとして扱われていた程度のものだ。

 駆け出しがまず手に入れるべきもの、慣れてきても修練や使い捨てとして使える程度のものである。

 多数あるすべてがその程度の品質なのだ。

 ということは使いやすい大きさ、形状で選べということだろう。


 剣士として真剣を扱うのは初めてであるが、普段使っている木剣を参考に馴染むものを選ぶ。

 同じものがもう一本欲しい。バルディは同じ大きさの剣を攻防自在に扱わんとする手法で鍛えてきたのだ。

 一方を短剣として守りとする、あるいは盾を持つことも。


「うわ」


 思わず声をあげる。今取り出した筒にもう一本出現したのだ。同じ剣。品質も、いやそれどころではない。全く同じものだ。少なくともバルディにはそう見えた。


 とはいえ、出てきたのなら利用しよう。バルディは二本目の剣を手にした。

 鞘と剣帯も欲しいなと思ったらそれも出てきたので身につける。


「“装備できたら後ろを見てね”」


 後ろを見ると、赤いボタンがあり。


「“押してください”か」


 この不思議な空間を改めて見回す。

 掲示板がある面と、やたら種類の充実した剣が並んでいる面、そして赤いボタンの面と、もう一面は何もない四角形の部屋だ。

 天井と床を含め、光源はないのに者は問題なく見える。日陰程度の明るさだろうか。

 剣を持たせるということは、この後にあることは想像できる。


 バルディは覚悟を決めて赤いボタンを押してみた。

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