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剣初心者うさみ 82

「チャロンは、魔物狩りで生計を立てるですの?」

「ああ。武器は用意できた。うちの先輩の徒党で下積みして、将来的には独立したい」


 呼び出されたのは本宅側の一室。客を迎えるにも使う、いつかの闇討ち事件の際ゴウゲンと面会するのに使った部屋だ。

 音が外に漏れにくい細工がしてあるので、道場ではなく本宅で機密性が高かったり個人的な話だったりするときは、こちらが使われることもある。


 今回は三名それぞれの個人的な話であること、だけではなく、バルディの話があるからだろう。


 さて、そんな部屋でも、バルディたちは雑談をしていた。

 ハン大先生が来るまでの時間だ。

 話題はそれぞれの今後の話だ。お互いの予定は大筋把握してはいるが、今日で三人組は解散なのだ。自然と話はそちらに向かう。


 チャロンの進路は魔物狩り。

 文字通り、魔物を狩る仕事である。

 命懸けであるがため、半端な実力では務まらず、収入も安定しない。

 しかしながら中堅以上まで実績を積めば、街中で荷運びをする何十倍も稼げる。

 体一つで成り上がることができる職業の一つである。


 剣の街では、この魔物狩りを兼ねる道場も多く、一距両疾流もそのための徒党を組んでいる。

 松組の内弟子と中心として、将来独立を予定する竹組の者たちの踏み台、そして魔物狩り及び志望ではない者の実践修練の際の監督までが役割だ。

 ついでに各方面から報酬を得ることもあるが一部は道場の収支となり、また別途道場から報酬が出る。


 若葉組ではひたすら基礎の積み重ねと対人二対一の修練ばかりだったので、魔物との闘いは経験していない。

 なのでチャロンは先輩方と同じ道として道場の徒党で経験と修練を積む予定なのだった。

 当初の予定ではバルディもその道を辿るはずだったのだが。


 今後チャロンは遠征を中心として活動することになる。

 数日から数十日の狩りと、同程度の休みを繰り返す生活だ。

 門下生としては戦いを生業とし、実戦を含めた修練を受ける者がはいる竹組に属し、休みの間体が鈍らないように、また新たな技術を習得するために道場に通う形になるだろう。

 バルディとしてはチャロンが彼女と疎遠にならないかが心配なところだ。

 というのは口にしたことはないが、あれでしっかりしたチャロンのこと、昔からの付き合いの恋人とは意見を通じ合わせているだろう。


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