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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
剣士編

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剣初心者うさみ 78

「最近、調子がおかしいですわよね、ですの」

「そうかな?」



 はんぶんこ問題にも慣れてきて、甘味の評価のしかたも数をこなして固まってきたころ。

 腹具合を考慮して少し歩くことになり。

 移動中に本題である甘味調査以外の話題をする余裕が生まれた。


 そこでミーナが選んだ話題は、バルディのことだった。


 例の怪我以降、バルディの様子がおかしいと。


「妙に鋭い時と、逆に下手な時と。ひどく不安定……というより全体的に下手になっているですの」


 なるほど。

 最近のバルディは、スキルを使わない修練を行っている。

 また、飛び級で上がったスキルは見本として時折試している。

 その様子を見ればそのように感じるかもしれない。


 飛び級までは身に着けたスキルを使わないという発想がなく、自然にスキルを使い修練していた。

 スキルをすっぱり使わなければ、その時よりも下手に見えるだろうし実際下手になるだろう。


 とはいえ、手本を元に繰り返し修練を続けて徐々に元のスキル込み実力には近づいてきているはずなのだけれども。


 どうやら一年間、お互い観察しあってきているため、変化に気づいたらしい。

 バルディが見ている程度にミーナも、ここにはいないチャロンも、バルディを見ているというのは考えてみれば当たり前である。

 バルディはまた自身の視野の狭さに気づかされることになった。


 自分がやっていることは他の人もやっている。

 相手の立場で考えればわかって当然のことはたくさんある。


 だが、やはり見落としがちである。

 自分を中心に考えるだけでも万全とは言えないのだ。

 他人の目線まで補完するのは難しい。

 が、それでも「考えればわかること」を見落としていることに気づくとなぜ気づかなかったのかと衝撃と徒労感を覚えるのだ。



 話を戻す。

 バルディの状況は飛び級を起こしたことで起きたものであり、バルディの視点から見ればおかしなことではない。

 やむを得ないことであり、徐々に解決していく予定の問題だ。

 だが事情を知らない人から見ればなんだこいつおかしくなったのか、と思われるかもしれない。

 それが怪我の後からなので余計に心配をかけてしまったのだろう。


「ミーナ、心配してくれてありがとう」

「でっ!? すの!?」


 ミーナが不意を打たれたような顔をしてよくわからないことを言う。

 ですのが過ぎてだんだん言葉がおかしくなってきているミーナがちょっとだけ心配である。


 それはともかく、飛び級のことを教えないと説明が難しい。

 だが、どこまで伝えていいかわからない。

 飛び級については積極的に教えないことになっているようなので、さて。

 師範代に確認しておくべきだろう。


「怪我の影響はもうなくて、別の問題なんですよね。師範代に相談してみて大丈夫なら教えますね」

「だ、大丈夫じゃなかったらどうするですの?」

「その時は、仕方ないです」


 この時ちょっとした誤解があったことを、またバルディは見逃していたのだった。





 そして余談になるが、この翌日。

 おジョウさんに「ミーナちゃんと逢引したんだって!?」と声を掛けられ、なぜが妙に焦りを感じることとなった。

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