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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編

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ゾンビ初心者うさみ 63

ゾンビで年またぐのもなんなので、今年中に終わらせます。2

 最も強力なアンデッドの反応と、アンデッド以外の反応が消えた。

 直後にもっと強力なアンデッドの反応が発生した。



 起きた現象はこれだけである。

 もっと言えば、戦場から発せられる不可視の圧力の質が変わったことを、敏感な者なら感じ取ってもおかしくないだろうか。


『うさみ殿』

「うん」


 黒犬さんが言いたいことはわかる。

 アップルもうさみを見ている。

 しかしうさみは躊躇していた。



 観測結果を素直に解釈すればこうだ。


 まず、不死者の王が倒れ、火竜王もまた倒れた。

 そして、その場に新たな強力な、極めて強力なアンデッドが生まれた。


 ここから推測。

 新たなアンデッドは死んだ火竜王。

 不死者の王の眷属に殺されるとアンデッドになるのであれば親玉も同じ能力を持っていると考えるのが自然であり、であれば相討ちになった火竜王がアンデッド化したと考えるのもまた自然でだろう。


 別の想像として、不死者の王が火竜王の肉体を乗っ取った可能性もあるかもしれないが、受ける感覚でそうではないだろうと思える。別のものだ。

 それにアンデッド化の魔力が放出される様子もない。それならどっちだったとしても脅威度に大差ないだろう。



 さて。


 ……さて。



 なんで相打ちになってるの火竜王ぉぉぉおおぉぉぉおぉぉぉ!?

 そりゃあ、なんだか長引いてるからもしかしたらやばいんじゃないかなーとか、うさみもちょっとは思っていたけれど。ちょっとはね。

 まさか本当に殺されるとは思わない。

 いや、相討ちというのもそれ以上に予想外である。奇跡かな。


 一定以上の能力を持った者を狩る存在がいくつかいる。

 理由は自衛だったり、食事だったり、与えられた役目だったりであるが、いずれにしても、一体で人類を滅ぼしかねない能力を持っていると考えていい。

 火竜王を含む四大竜王はそのなかでも頂点に近い存在だ。


 要するに世界でも屈指の強さを持った存在である。

 それこそ神話の世界に登場する怪物なのだ。

 これに匹敵する力を不死者の王が持っていたことも驚きである。

 しかしそれでも、火竜王が命を落とすなんてことは、想像できなかった。想像したくなかった。


 近い未来、より脅威的な面倒ごとが確定するからだ。四大竜王が封じているものが解放されるのである。

 ゲームや物語じゃないんだからそんな連鎖的に問題を用意しなくてもよさそうなものだが、この世界の神話の時代にもその都度事情というものがあったのだろう。


 とはいえすぐではない。なので今回の話には関係がない。



 だからこそうさみは躊躇った。


 一人なら様子を見に行っただろう。

 待ったなしなら即座に動いただろう。

 しかし、今はある程度の安全を確保してあるとはいえ、百人からなる人たちの、まあ護衛といっていい役目を果たしている最中であった。

 即時の問題は新たに発生したアンデッドそのものだけで、これがどう動くか様子を見る時間はとってもよいのではないか。


 猶予がある、かもしれない。というのが天秤をつり合わせ、どうしようかと迷ったのである。


 ああ、こんなことなら火竜王に加勢するべきだっただろうか。それはそれで三つ巴になる未来しか見えなかった。エルフ如きに加勢される火竜王ではないし、あるいは受け入れられるほどの力があるとすれば今度は自身が狩られる対象だ。

 それに何より怖いし。でっかい怪物と戦うとか本当に最後の手段であるべきだ。



 そして、躊躇っているうちに、状況に動きがあった。


 うさみたちが出てきた王都マーゼ、もはや旧王都と呼んだ方がいいかもしれないが、ともかく、旧王都マーゼ方面で大きな神聖魔法の発動が感じ取れたのである。

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