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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編

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ゾンビ初心者うさみ 57

「【大浄化】!【大浄化】!【大浄化】!【大浄化】!【快復】……【大浄化】!」


 エルプリが神聖魔法を唱えるごとに周囲に落ちている金貨が消えていく。

 そして魔法陣を通じて光となって弧を描いて飛んで行き、はるか遠くに着弾して周囲一帯を大浄化するのだ。

 元が範囲に影響を及ぼす魔法であり、熟練によってその範囲が広がっていくのだが、これだけ短時間に繰り返し、そしてアンデッドを浄化しているので、当然その範囲も広がっていく。

 とはいえよほどでなければ、魔法陣で拡大した最初の聖域ほど大規模にはならない。

 しかし、目視ではなく探知魔法の反応を頼りに射出しているために、何かの拍子に着弾地点がずれたとしても目標を範囲に巻き込めるだろう。さらにはある程度近くに集まっているようならまとめて倒すこともできる。


 高位の魔法を立て続けに行使するというのは、魔力の問題を抜きしにしても負担がかかることである。

 しかしそれも、これまた高位の回復魔法によって体調を改善して解決している。

 これも金貨を対価に癒しの神様の力を借りている。贅沢な力技だ。

 金貨か魔力、あるいは根気が尽きない限りは、くりかえすことが出来るだろう。


 そしてそれを成り立たせる魔力の方はといえば、うさみが精霊エル子を通じて間接的に供給している。

 また、魔法陣によって影響される部分に関してはうさみが直接魔力を注いでいる。


 もちろん、うさみだって無尽蔵の魔力を秘めているわけではない。

 しかし、現状はしかるべき準備を整えている。

 戦場の森でかけた変身の魔法は状況だけに今でも維持されつつけており、うさみの能力を底上げしている。満月結界でさらに増幅され、普段併用している魔法を解いて余裕を作っている。

 無尽蔵ではないといったものの、現在のうさみが生み出す魔力は地上でも屈指かもしれない。

 それをエルプリに合わせて小出しにしている形である。

 一度に扱う上限にはもうすこし余裕があるが、エルプリの気力次第だろうか。




 結論からして、エルプリは半径徒歩四日分程度までのアンデッドを殲滅せしめた。

 戦場まで届かなかったのは予定通りでもある。火竜王と不死者の王に下手に触るのを避けたうさみの意向も強い。あれらは人間にとっては災害であり、積極的にどうこうしようというのはそれこそ二次災害の下になるだろう。


 そしてその間に、うさみから多くの魔法行使の技術を伝授された。

 精霊エル子を維持するための、魔力の保有量や回復量などに関わるものだけでなく、同時に魔法を使ったり、保留したり、あるいは一部魔法陣の扱いも学んだ。

 名前のある技術は基礎と訓練の方法さえあれば繰り返して熟達できる。

 仮に神聖魔法が使えなくなったとしても、エルフに伝わる魔法に応用することもできるだろうし、エルプリ次第で大魔法使いになることもあるだろう。基礎部分だけならすでに相当なものだ。それだけアンデッドを浄化したということでもある。


 これで十分かと言われれば、先が見えないのではっきりとは言えないが、エルプリが精霊エル子を維持し続けることについては満足できる成果が出た。

 なので。


「よっし。それじゃあこれで」


 うさみは最後に精霊エル子にたっぷりと魔力を差し出して。


 精霊エル子とのつながりを絶った。


 これにて、精霊エル子の移譲が完了したのだった。

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