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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編

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ゾンビ初心者うさみ 55

 聖域の魔法の範囲内にとらわれたアンデッドは、継続的にその存在を浄化されてていき、わかりやすく言えばダメージを受けつづける。

 そして耐久の限界を超えると光となって消えていく。


 都市一つ分に加え、外壁に集まっていたアンデッドたちが消滅していく。

 外的な作用でゾンビ化しただけのただの人間などは問題にならず、もともとが危険な魔物や鍛えている兵士などだった個体であっても、時間をかければ消滅まで持ちこむことが出来るだろう。

 魔法を維持できれば。


 維持に必要なのは魔力である。


 そして魔力は、精霊エル子から供給することが可能だ。

 だが精霊エル子もまた存在の維持に魔力を必要としている。

 精霊エル子本体の力はお日様の力を借りて一時的に増しているが、それでも無尽蔵ではない。


 だが、精霊エル子は、まだうさみとのつながりを切っていない。


 エルプリとうさみ両者と同時につながっている状態なのである。

 なので、うさみから魔力を受け取ることが出来る。

 精霊エル子の引継ぎのタイミングでしかできない隙間をついたような手法であった。

「これは、すごいのじゃ……」


 さらに、こうして多数のアンデッドを浄化したことでエルプリが大きくレベルアップする。

 うさみにも恩恵があるがこちらは直ちに影響はない。


 うさみがレベルと呼んでいるこの世界の仕様は基本、命を奪うことで強くなるというものだが、アンデッドに関しては命を持っていないのに例外的に同じように働く。

 実は命がないという認識が間違っているのか、あるいはアンデッドの対処させるための、世界を作った神様の意向か、わからないがともかくそのようになっていた。


 質はともかく、都市一つ分+αというのは量としては十分だ。

 この一発でエルプリのレベルは人類でも上位に数えられるところまで上がることになった。

 レベルだけではない。

 魔法や魔力の扱いについて、神の加護(スキル)に対しても、命を奪うにあたって使用した者についてはレベルと同様にただし分散されて習熟される。

 さらにはクラスも上がるのだが、金銭神官はそのうち失われるだろうアンデッドの可能性まで込みで計算しているので置いておく。


 魔法の行使に加え、魔法の維持には魔力操作スキルが必要だし、魔力を消費し続けることで魔力の消費を押さえたり保有魔力量を増加させたりするスキルが成長する。


 うさみの本命はこれだった。

 エルプリを成長させて精霊エル子を維持可能にすること。

 当座、アンデッドの問題をやり過ごせれば、森に移住するも、巨樹を中心に森を広げるも可能だろうと、そういう考えだ。


 しかし。


「うさみ、なんか目が回ってきたのじゃ」


 急な成長をすると本人が自信に適応するまで混乱することがある。

 突然できることが増え、振るえる力の上限が上がったせいだ。

 例えるなら、新車に乗り換えたけど車幅や速度の感覚がつかめていない状態とかそんな感じだろうか。それももともと小型車に乗ってたのが大型重機に乗り換えたようなもの。

 神様の定めたシステムであっても、使う側がついていけないということがあるのだ。 使いこなせるかどうかは、いや使いこなせるかどうかが個人の資質であると考える者もいる。


 とはいえ。


「【平常】か【快復】の魔法で治して頑張って」

「のじゃ~!?」


 うさみは金貨をばらまいた。

 それらは宙に棚があるかのように落下をやめてエルプリの周りに落ち着く。


 神聖魔法には人を正常な状態に回復する魔法がある。

 混乱から回復して落ち着く魔法や、あらゆる状況から理想的な状態に回復するものまで。

 金銭神官は金貨を対価に他の神様の得意分野の魔法も扱えるため、選択肢は広い。

 金貨がかかるけれど。

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