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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編

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ゾンビ初心者うさみ 53

「エル子!」


 巨樹の精霊エル子に一声かけると、周囲の風景が瞬く間に変わる。

 そこは、巨樹の頂。

 地上数百メートルといったところか。うさみが慣れている高さからすると一桁少ないが、はるか遠くまで見渡せる点に変わりはない。


「おおっ! 高いのじゃ!」


 エルプリが高揚した声を漏らす。

 高所恐怖症ではないようだ。エルフは樹上生活なので大丈夫だろうとは思っていたがまずは一安心。


 足場を固めると、精霊エル子が光る球の姿をあらわす。


「よっし、それじゃあこれからエル子を移すよ」

「うむ。して、大丈夫なのじゃ?」


 精霊エル子は、現在はうさみが魔力を投じて存在を維持している。

 本来なら少量で構わなかったのだが、巨樹を育て、宿ってしまったために巨樹の維持に大きく魔力を消費するようになった。

 巨樹はエルフたちをアンデッド化から護るための礎でもある。

 神様の領域である礼拝所や神殿を除けば、魔法防御が敷かれていた王宮や更に重ねられていた錬金術士のアトリエ内まで浸透していたアンデッド化の魔力を防いでいるのである。


 それだけの魔力を提供することは、エルプリを含め、生き残っているエルフではまあ難しい。あるいはまず無理である、といってもいい。


 これを解決するための第一歩が、エルプリを神官とし、高位といえるほどまでクラスをあげたことだ。

 金銭を対価として位階をあげられる金銭神官ならではの力技である。

 他の神官では神秘体験をして突如熱い信仰心に目覚めでもしなければ高度な神聖魔法を扱えるほどまでいかない。


 そして、神官として速成とはいえ大きく力を増すことで、エルプリが扱える魔力はふえた。

 ただ、これは時間制限があるものだ。

 金銭神のシステム上、金貨のやり取りを行えなければうさみ同様神官の資格を失うことになる。

 何事もなければ半年くらいだろう。何らかの手を打てば延命できるかもしれないが。

 神官の資格の喪失は、神官として得た力も失うため、このままでは増えた魔力も戻ってしまう。



 なので。



 うさみは樹上にて、精霊エル子を間に挟んで向かい合い。

 精霊エル子に手を差し伸べると、うさみの腕の周りを、まとわりつくようにくるくると光が動いて、最後にうさみの掌の上で止まった。


「エル子との契約を」

「うむ。精霊様、エル子様。これよりはわらわと共に」


 エルプリが精霊エル子に手を伸ばす。

 そしてそのまま、精霊エル子を突き抜けて、うさみの掌の上に手を重ねた。

 うさみとエルプリが手のひらを合わせているので、精霊エル子はエルプリの手の甲の上に載っている状態だ。


「これで、いま、この瞬間は、エル子はわたしとエルプリ両方とつながっている状態」「うむ」


 精霊エル子がピカピカと明滅して肯定。


「よし、それじゃあゾンビとかやっちゃおうか」

「やるのじゃ!」


 クラスではなく、レベルとスキルということなる神の加護をあげてしまおう。

 というのが今回の狙いなのである。

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