表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

348/494

ゾンビ初心者うさみ 47

 他の神殿も回って、生き残りを回収して来た。

 神官同士は仲が良くないことも多いのでもう少し渋るかと思ったが、そして実際に渋る者もいたが、最終的には移動を承諾した。


 さらに、二日ほどかけて、食料と使えそうなものを集めて回った。

 持ち主はもういないので遠慮することもないだろう。

 王宮の隅の研究室とか、宝物庫も見て回り、宮廷魔導師の資材庫などでも収穫があった。


 もっと大きくてお金持ちの国で戦争のために持ち出されていなければもっと多くの有益な道具を確保できたかもしれないが、まあ状況を考えればそれなりの戦果であった。

 食べ物をおいしい温度で維持してくれる魔法の食器など普段なら欲しいものもあったが、これは今回は見送った。持ち出せる荷物に限りがあるなら仕方がない。

 今後の予定を考えれば、多くの荷物を運べる道具があればよかったが、そんなもの戦争に真っ先に持って行かれているだろう。ざっと探して見つからなかったしたぶん。


 それから半日ほど工作の時間だ。

 馬車を使えるようにする。

 戦場から帰る際には動力がなくて使えなかったが、資材を入手できたので動力を作るのだ。

 細かい調整は後でもできるし、とりあえず動けばいいので突貫作業で完成させる。



「なにをつくってるの?」


 黒犬さんとアップルを動員しての作業中、女の子が声をかけてきた。

 二人は鍛えてない男性と比べると圧倒的にパワーがあるので助かる。


「ゴーレムってやつだよ」

「ゴーレム? お馬さんかと思った」


 用意している動力はゴーレムだ。

 宮廷魔導師たちがゴーレムを作るところを見たのでだいたいやり方はわかっている。

 ただし、違う点がいくつかある。

 まず、ゴーレムの動力だ。動力のためのゴーレムの動力。

 これは必要な時魔力を注入すると一定時間稼働する形にしてある。

 しばらくすると勝手に動作を止めるのだ。

 そしてその兼ね合いもあって、四本脚にした。

 二本脚だと倒れるかもしれないし、四本脚なら倒れにくいだろうし、馬車を引くなら四本脚の方がいいかなって。

 さらに、せっかく馬車を引ける力があるし、力仕事もさせたいので腕と手を付けた。

 頭はなくても困らないが、何となく不気味だったのでコミカルなかんじで。雪だるまみたいな顔と悩んだが、漢字の「北」の真ん中をくっつけたような形で落ち着いた。

 見た目で人族じゃないとわかるように原料を生かした金属質な表面のままで行こうと思ったが、銀色だとまぶしいかなと思い、見つけてきた毛皮を張り付けた。

 しかしせっかく作った顔がふさがったので、首から上は白い塗料で塗った後顔を描きなおした。

 久しぶりの工作は割と楽しかった。


 そして完成したのが、四足二腕重労働ゴーレムけんた君である。ケンタウロスから名前を取った。


「けんたくん?」

「馬車を引かせるから、馬具をそのまま流用できるように馬の形にしてね。荷物積み下ろし手伝えるように腕をつけてね。ほら、この顔かわいいでしょ?」

「こわ……いい」

「いやちょっと不気味であります……見ていたら慣れるかもしれないでありますが」

「あたしは結構かわ……いやごめん、かわいくはないわ。味があるとは思うけど」


 うさみはショックを受けた。

 それから馬具をつけて乗ってみたり歩かせたりして遊んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ