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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編

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ゾンビ初心者うさみ 23

 アンデッドを誘導する目途が立ち。

 また、避けられそうにないときに、立木のふりをする魔法を用意した。

 少数なら戦って倒してもいいが、交戦状態になれば全体の誘導が乱れる。

 それを嫌ったのだ。


 条件は例の棒を持っていること、うさみの近くにいること、大きく動かないこと。

 アンデッドに限らず、遠くから見れば木に見え、気にならなくなるという効果がある簡易な結界の魔法だ。


 アップルが動いて誘導、場合によっては排除しながら進み、数日かけて、いくつかの滅んだ村を通り過ぎ、その日もやはり滅んだ村で休むことになった。

 夜の見張りを、うさみが半分を担当し、エルフたちがもう半分を担当する。

 エルフは夜目が利くので夜番は適任だ。もちろん寝ないと翌日がつらいのは変わらないが、今回伏兵部隊に参加していたものは、王国に捕まっていたエルフの中でも強い方だろうし、エルフの強者であれば狩人だろう。となれば数日伏せて獲物を待つくらいはするはずなので、見張りくらいは大丈夫だと思う。

 うさみの認識が違ったら負担を強いていることになるがまあ体力回復強化魔法をかけているしだいじょうぶに違いない。



 というわけでうさみの見張りの時間。

 一番後ろを任せていた黒犬さんと、それぞれ見えている状況――特別疲れている人がいないかとか、脱落しそうな人はいないかとか――を情報交換した後、一人になったところで。


「ね、あたし気づいたんだけど、うさみちゃんがちょちょいって魔法で倒せばあたしこんなに頑張る必要ないんじゃないかしら」


 別行動のせいで日をまたいでも未だに打ち解けられていないアップルが、うさみに話しかけてきた。

 事情を踏まえれば仕方ない面があるし、アップルとしては他と仲良くなっても、という判断もあるだろうが。


「うさみちゃんくらいの魔法使いならイチコロでしょ?」

「わたし神官じゃないんだけど」


 神官のつかう神聖魔法には、アンデッドを排除するためのものがいくつもある。

 神官の証である聖印を掲げるだけでもアンデッドは嫌がったり、徳が高い神官の手であれば消滅することすらあるのだ。

 神様がいかにアンデッドを嫌いだったかがよくわかる話だが、今回うさみは神官ではない。

 昔、お金の神様の神官をやっていた時期があったのだが、ちょっと百年単位で神官の義務を怠ったせいで神官の力を剥奪され、滞納した義務を果たさないと復帰できない状態なのだ。

 その義務はお金を神様に捧げることなのだけれど、額が現実的ではない。

 死んで次の生になればリセットされるので別にいいやと放置した結果ですでに後悔済みである。


 したがって、アンデッドを倒す魔法は持っていない。

 なので魔法でアンデッドは倒せない。

 証明終了。


 と思っていたのだが。



「神官じゃなくても魔法で倒せるでしょうよ。魔法でなくても、その足で蹴りとばせば吹き飛ぶでしょう」

「死体を蹴るのはちょっとかなりすごい嫌……」


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