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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
ゾンビ編
303/494

ゾンビ初心者うさみ 2

 うさみがなぜどっかんどかんをBGMに人を連れてだるまさんが転んだかくれんぼをしながらカ・マーゼ王都を目指しているのか。

 それはもちろん、あの会戦で起きたことが原因である。







「! な、に。これは……?」


 うさみが戦場全体に避難を促してすぐに、赤い女戦士が何かに気づいて声を上げた。

 おそらくは危険感知か魔力感知か、その手の能力で魔剣死紅から解放された力を察知したのだろう。高レベルまで生き延びた戦士ならそういった能力を持っていても不思議はない。


「王国の切り札を妨害した結果暴走したんだよ」

「そんな危ないもの使わないでよ!?」

「それだけ追い詰めてたんでしょ」


 うさみは鞭でつながっている赤い女戦士ごと、森へ向けて落下を開始した。自由落下ではなく加速している。

 並行して、用意していたものを起動する。


 用意していたものというのはもちろん森に設置した結界だ。

 自身が用意した結界である。その性能を変化させることは可能。

 対即死(・・)そして対状態異常の魔法結界へと組み替える。


 ここでうさみたちは森に突っ込んだ。

 森は以前の結界の効果で、通路としての機能を持っている。

 そして王国の部隊が伏せてあった。


 なんだどうしたなにものだ。


 誰何の声が上がるが、相手をしている余裕はない。

 うさみは味方の声も木に引っかかった赤い女戦士も無視して最寄りの木の棒に飛びついた。結界のために植えて回った棒だ。

 結界の礎として設置したそれは結界そのものと魔法的な相似関係にありここに直接手を加えることで結界の操作を容易にし、同時に結界全体を操作できる。


「ちょっと、でも!」


 うさみは棒に成長と強化の魔法をかけた。


 棒が光を放ち根を張り木になり大木へと成長するのと。

 戦場の一角におどろおどろしい気配が生まれるのはほとんど同時。


「あ……やば……」


 その瞬間、うさみは現状のうさみの力では足りないことを認識した。

 また同時に、戦場に生まれた存在(もの)が、うさみが危惧した別の危険が現れる条件を満たしてしまっていることも。


 つまり、極めて強力な力が解き放たれたとき、現れるそれ。

 どうせこう(・・)なるなら、うさみが全力で止めておけば。いや、すぎたこと。

 うさみは努力して頭を切り替えた。

 こうなれば遠慮することはない。


 うさみは自身にかけている魔法の維持をやめ、別の魔法をかけた。


「へんしん」


 直後、強烈な衝撃が結界を打撃した。

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