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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
おっぱい編

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おっぱい初心者うさみ 5

 魔王ブラジャーの降臨に気づいたのは一握りの魔族だけだった。

 本人を含めてうさみが魔王になったと気づくものはほとんどいなかったのだ。予言の巫女すらこの魔王の出現を見逃した。


 うさみが何かおかしいなと気付いたのは国の保有する砦を無血で制圧して女性兵士や騎士に試供品のブラを支給しその効用について説明し連絡先を教えて回っているときのことだった。

 具体的には十五個目の砦の時だ。


 なんでこんな強硬な手段に出ているのか。


 うさみは自身を臆病な小市民と認識していた。

 戦いとかゲームの中でなれば恐ろしくて関わりたくもない。

 スポーツで競い合うのはいい。遊びで勝負するのはいい。

 だが命をかけて何かをするというのはごめんこうむる。


 だからあまり目立つことはしたくなかった。目立てば味方も敵も増えるから。


 ブラの普及活動はその、もう百年以上かけていて仲間も代替わりが進んで一族の悲願みたいなことになっていて、今更引き返せない感じなのでそのね。やっぱりやめようとか言えない雰囲気なので。



 であるのに。なんで今、魔法を振りかざして強硬手段で販促をしているのか。


 砦を制圧するとかやりすぎではないか。

 そりゃあ魔法で兵士を動けなくすれば制圧は簡単にできる。

 でも出来るのとやるのとは別の問題だろう。

 国とか敵に回すのでは?

 組織を敵に回した結果、暗殺者が送り込まれ友人が一人死んだのではなかったか。

 子ども、いや孫のような子だった。

 魔法の手ほどきもうさみがやった。花が好きな子だった。でも食べられる植物はもっと好きな子で、だから地属性魔法を広めることに熱心な子だった。

 享年五十二歳。子供三人孫六人。


 なんでやった? やっている?



 最初の、魔法使いギルドへの報復は勢いでやっちゃったところはある。

 だがそのあとはどうだろう。

 なんかそのまま勢いでやっちゃった感。

 ぷんすか! から、あっ思いついた! からの流れ。


 ものっすごい怒ったときも一晩も経てば落ち着くものだ。そのはずだ。今までの経験ではそうだった。

 十日も勢いで動いたのはどうなの。わたしはそんな子だったっけ?


 ここにきてようやくうさみは冷静になった。

 ちょっと落ち着こう。


 冷静になってみれば、何かの干渉を受けていたことに気が付く。

 ノリと勢いでわーってなったわけではない。

 うさみはこういう干渉を受けたのは初めてであった。

 何物かによる思考、あるいは精神への干渉。

 魔法ではない。魔法なら気付く。ではなんだ?

 干渉を受けているのに今こうして冷静になれたのはなぜだ?


 うさみはようやく一度足を止めて考え込んだ。



 そこに魔軍四天王が現れたのだ。

 そしてうさみは、抱いていた疑問を忘れ、正気を失った。






 魔軍四天王は過去の魔王が作った魔軍という組織における魔族の最精鋭だ。

 魔王ブラジャーが降臨した時に気付いたのはその証拠である。


 魔族は魔物同様、魔王に従いたくなる因子を持っているらしい。

 歴代の魔王に仕えてきた実績がある。


 同時に、魔族は他者に従うことをよしとしない。

 力こそ正義。魔力こそ支配。

 だからこそ、魔軍という組織は成り立つ。強い奴が頂点に立つことで。

 だからこそ魔族の頂点たる魔軍四天王は魔王に支配されることを簡単には認めない。


 自分たちこそ最も強いと考えているから。

 自分たちの力を、成果を、ぽっと出の魔王に使われるなど許されない。


 なので、魔王による支配がはじまる前に新たな魔王を襲撃した。

 魔王ブラジャーことうさみを。

 地、水、風、火、それぞれに特化した最強の刺客にして魔族の頂点たる四人と光と闇を操る五人目と六人目の四天王まで動員し、確実に仕留めようと奇襲を狙った。


 撃退された。


 うさみは魔法戦において最強である。



 こうして魔族にブラが導入された。

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