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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
おっぱい編
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おっぱい初心者うさみ 1

 うさみはこの世界に来て気づいたことがあった。


 ブラがない。


 うさみの体はつるんぺたんすとーんなのであんまり必要はないのだけれど……いや、やっぱりあるわ。胸に当たる布地がこすれて痛い時がある。


 地球時代は“うさみ”ほどすとーんではなかった。大きいほうでもなかったけれど。

 学生時代は運動をすることが多かったのでスポブラを愛用していたが、のちには人並みにおしゃれにも気を使っていた。エチケットというか。まあそういう意味で役に立つ前にこの世界に来てしまったのだけれど。


 さて、こういうものは気づいてしまえば気になってしまうものだ。

 思えば、この世界、女性も激しい運動をすることがある。

 魔物との闘いである。


 まるでゲームのときのように女性も戦闘を行うのがこの世界だ。

 男女の区別なくというわけではない。

 区別した上で女性も戦いに出るのが普通なのである。


 そしてその中には、おっぱい大きい人もいる。

 あれは、こう、なに? めっちゃ揺れてるんですけど。痛そう。

 それは、え、鎧の下すごくおっきいですね。押さえつけてるの? 形崩れない?

 これは、コルセット?内臓を守るの? なるほど。胸は? 形が難しい? ビスチェみたいなのはあるの? 革の防具なの? そう。


 飛んだり跳ねたりするにあたって、胸が大きいのはつらいものだ。

 うさみは知らないけれども。

 地球時代の友人がよく愚痴っていた。


 友人曰く、いいブラがなかったらもっときつい。

 へー、そうなんだ。すごいね。


 うさみは考えた。

 日本人はみんなブラをしていた。あ、女性は。

 これはそれだけ有用だったということを表すのではないか。

 だったら、この世界でも役に立つのでは。

 役に立つなら売れるのでは。


 うさみは裁縫はゲーム時代にちょっとかじったのと家庭科で習った程度だったが、幸い時間はあるし練習すればいいことだ。

 うさみがこの世界にブラをもたらすのだ。

 ちょっとした思い付きから使命感を。




 早速行き詰った。

 いい感じの布がなかったのだ。

 かつてうさみはコットンや化繊のものを愛用していた。肌触りがいいし、種類が多く値段も手ごろで選ぶのも楽しめた。


 しかし、うさみが居る地域には木綿がなかった。化繊? そんなのあるわけがない。


 麻、羊毛、絹。あと革。

 これが流通している素材だった。

 麻はシャツに使うのはいいが下着にするには肌触りがちょっと好みではない。

 羊毛はちくちくするし洗うと縮む。下着だもの。頻繁に洗うよ。

 絹は高い。シルクの下着とかあこがれはないではないが、水に弱いし。やはり下着は消耗品であるので値段は痛い。

 革。蒸れるし肌触りはひどい。下着には向いていない。あとえっち。レザーのさ、下着ってさ。そういうイメージあるよね。



 まあ結局のところ、うさみの経験と好みの話に落ち着くのだけれど。化繊が難しい以上コットンがいい。

 コットンを探そう。

 こうして五十年ほど放浪した。

 その結果コットンぽいものを見つけたのだ。

 そして各地に広めるのに百年かかった。栽培の試行錯誤も含めて。

 別に場所はどこでもよかったのだが、旅の途中お世話になった人たち、同行者などがおり、彼ら彼女らの故郷でも栽培できるようにと回っていたらそうなった。


 コットンぽいものの原料となる植物、綿花っぽいものと書くとながいので綿花と呼ぶが、これが地力をひどく消費するのだ。

 しかたがないので地属性魔法使いを育成し大地を肥沃にする魔法を毎日使うことで強引に解決した。

 この時点でコストが半端ないことになっていたが、あとで改善することにした。

 地球でも産業革命のころから大量生産された、つまりどうにかなったのだから大丈夫だろうと。

 育てた地属性魔法使いの九割が引き抜きにあったのも痛かった。

 おっぱいのために熱意を持ち協力してくれる人は限られていたのだ。


 それでもどうにかコットンぽい布の生産は確保した。

 次は実際に作ってみることだ。


 コットンぽい布にも改善の余地はあったが、それは人に任せた。

 日本のブラのことを知っているのはこの世界にうさみだけ。

 ならばうさみが優先すべきことは決まっている。


 考えてみれば。

 素材探しよりも先にブラの概念を広めればよかったのではないかと、このときようやくうさみは思い至ったが過ぎた時は戻らない。

 ま、まあね、いろんな場所を回れたしね。それはそれで。


 そんなことよりブラを作ろう。

 しかしここでもうさみは行き詰ることになる。

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