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うさみすぴんなうとAW  作者: ほすてふ
目からビーム編
134/494

目からビーム初心者とうさみ 39

「神聖魔法をベースにいろいろ手を加えてあるみたいだね。精神制御も。はじめは魔法かなって思ったんだけど違ったよ」


 うさちゃんが出した敷物と小卓に、軽食を並べる。どこに持っていたのかわからないが、黒いもにょもにょの魔法のようにうさちゃん小屋から取り寄せたのかも、と思い至った時点だ考えるだけ無駄だろうとあきらめた。


「神聖魔法? 魔法とは違うのですか?」


 魔法と名がついているわけなので、魔法という大枠の中の分類だろうか、と思った。

 しかし、うさちゃんは別のもののような言い方をした。


「説明が難しいんだけどね、どっちも魔力を使う技術ではあるし。魔法は自由に何でもできるんだけど、神聖魔法は神様が残した世界への影響力の範囲内でしか使えないんだ」

「というと、魔法の方が上位なのですか」

「かならずしもそういうわけでもなくて」


 うさちゃんが入れたお茶を差し出してくるので受け取る。熱い。こぼさないように敷物の上に下した。


「人類がまだ魔法を使ってもできないことを、神聖魔法はできるの。例えば回復魔法。どんな怪我や病気も問答無用で治す、っていうのは魔法では成功してない、と思う。疑似的なことはできるんだけど」


 治癒力の促進や時間操作などで似たようなことはできるのだとか。細かいことを説明されてもよくわからないが。


「ただまあ、この世界を構築する魔力以上の魔力を消費すれば魔法でも同じことができるけど、事実上不可能だから」


 よくわからないがとんでもないことを言っているということはわかった。


「それで、その神聖魔法でどうなっているのかは?」


「うん、資料とさっきの検証で大体解析できたよ。ただこれ聞かない方がいいかもしれない。どうする……っていっても聞かないと判断もできないか。結構衝撃的なこと言うかもだけど我慢してね」


 そうやって一人で結論までたどり着くなら、聞かないでほしい。おどされた気分である。


 と、この時は思っていたが、この後続く話を受け止めることができたのはこの前置きのおかげだったかもしれない。


「それじゃ、始めようか」







 □■ □■ □■







「まず目からビームのことから話すね。これは文字通り、目から光線を出して当たったものを消滅させる兵器。メカちゃんの前面、目を向けた方向に、目を中心として直径二メートル……メカちゃんの身長よりちょっと大きいくらい、私の身長の二倍より小さいくらいの幅の円柱状の光線ね。


 そして、メカちゃんの目を基準に水平方向より下へは発射できない。理由はわからないけど、推測でいいなら、大地の消滅を防ぐためかなあ。

 メカちゃん自身が平衡感覚失っていてもしっかり作用してたからずいぶん気を使っているように思えるね。


 命中したものはこの世界から消滅する。レベル持ちの存在だと丸ごと、それ以外のものは、光線の範囲より下は残って、上は消滅する。これも、水平より下へ打てないのと同じ理由じゃないかなと思う。

 で、この消滅するという効果が神聖魔法を軸にしたものなの。

 使っていても魔力消費している様子がなかったから不思議に思ってたんだけど、目そのものを、そういうものとして作り変える神聖魔法が使われていた。これがちょっとじゃなく珍しいことなんだけどね。

 それと、特定の脅威を排除するように運命補正の効果がついている。魔王候補に偶然当たったのはその流れの一環だね。わたしも当たりそうになったし。


 次に、メカちゃんを改造したと思われる例の男だけど、この世界に既に存在していない。多分、最初の時に消滅したんじゃないかな。

 正体はよくわからない。予想通り、あの屋敷跡はあの辺の領地の屋敷で、例の男はそこを借りていたみたいだね。発想がぶっ飛んだり一段とばしたような魔法の研究の覚書があったから、多分天才か何かだ思う。でもまあいなくなったから気にしないでいい。

 それから、記憶がなくなっているのはビームが出る目を植え付けたことに加えて、目からビームを使う上で良心の呵責を覚えないように精神をいじられたことの合わせ技みたいだね。

 記憶を失わせる効果はどっちにも組み込まれていなかったし、施術で負荷がかかってるのは間違いないし。

 記憶を戻したかったら、目を切除するか、精神制御を解除すれば戻る可能性がある。 目は再生できるけど、精神制御を解除したらどうなるかはちょっとわかんない。

 なにがって、軽く大破壊と殺戮しちゃってるからそこのとこどう受け止められるかはね。私は結構後を引いたから。


 それから、目からビームはある程度定期的に使わないと爆発して死ぬかも。

 でも逆に使い過ぎたら緩くなって垂れ流しになる可能性がある。身体機能として定着しているから鍛えることもできるけど、年をとって衰えたらちょっと考えたくないことになるかなあ」



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