表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

第1章 5話

 はい。起きました。

 やっぱり体の節々が痛いです。何が好きで、こんな洞窟で寝なければならないのか。


 それはともかく。


「すごいな、この鎌」


 まず、色合い。

 光を放っているかの如く、程に白い。

 ……ここは洞窟だった。光放ってます。


 次に装飾。

 柄には真っ白な蔦の装飾。

 刃の付け根には白い薔薇があしらわれている。


 ……なんか、すごい。

 綺麗、という言葉しか出てこない。


 これが、女神の言っていた鎌であっているのだろうか。すぐに渡してくれなかったから分からないけど……まぁ、こういうのは見つけた人の物だよね。


 そういえば、何か流れてくるような感覚があったけど、何だったんでしょうかね?

 何か変わったような様子がないからわからん。


「それにしても、軽いなぁ」


 持ち上げて、軽く振ってみる。

 なんだろう、重さ的にはテニスのラケットくらいかな? こんなんでホントに武器として成立しないのでは……? 武器の威力は重さに比例するのに。


「重くて扱えないよりはマシかな」


 ひゅんひゅんと振り回して感覚を確かめる。

 うん、手に馴染む。重すぎず軽すぎず、丁度いい。


「今日の収穫はこれくらいかな? ……帰るか」

 カラカラっ。


 背後で、何かが転がる音がする。

 ほん? 初めて何かしらの変化が起きましたねぇ。


 パラパラ……。


 頭上から、何か粉のようなものが降ってきた。

 ちょっ、口に入った! ぺっぺっ!


 ……ガラガラガラ。


 岩壁が崩れた。

 えっ、なんでなんで? 鎌抜いたから、何かしら不思議パワーがなくなって崩れた?ありそう。


 バゴンっ!

 ズドンっ!


 目の前に、岩の塊が降ってきた。天井だったものが崩れて。

 ……いやぁ、岩……なんか、すごい断面が綺麗なんですがそれは。鏡みたいになってるんですがそれは。見た感じすごい金属質な岩のように伺えるのですがそれは。


 ゴゴゴゴゴゴ……!


 あっ、やばそう。これ、洞窟が崩落する奴や。……あぁ、今崩れた。出口がないよォ!


 そうだ、鎌で斬ればいいか。


「えいっ」


 鎌を横に薙ぎ払う。


 ……。


 …………。


 あれ?

 ……そ、そうだよ! 切れ味がいいのに横に薙ぎ払ってどうするのさ! 意味無いじゃないか!


「えぇ……もう無理じゃんコレ」


 ガラガラという音とともに、周囲の岩と一縷の望みが崩れ去る。

 足場も崩れました。


「うわああぁぁぁ…………」


 さようなら。

 短い人生でした。

 いやぁ、いくら女神に強化されたとはいえ、洞窟の岩が全部降ってきたら流石に耐えられないよねぇ。無理ですわー。


「がふっ」


 背中に衝撃を感じ、またしても意識を失った。

 何回目だろうねー? おかしいなぁ。そっか、コレ最後か。



  ◇◇◇


 ………………ハッ。


 あれ? 生きてる? 死んでないの?

 岩に押しつぶされて、轢かれたカエルみたいになってないの?


 ここは……遺跡? ほん?


 確か、鎌を振り回したら洞窟が崩れて、背中強打して、死んで……ない。

 なんということでしょう。女神様が助けてくれたのでしょうか?


 ……ア ホ く さ。


 遺跡探索でもしよう。出口は何処にあるのかな?

 遠目から見ても、かなりデカい遺跡。時間がかかりそう。


 まぁ、片っ端から調べてくしかないんだけど。


 まずは真ん中、宮殿みたいなでっかい建物から。

 この遺跡のすごいところは、全然荒廃してない。崩れてないし、荒れてもいない。ましてや新築といっても過言じゃないのではないか。


「ホントにこれ遺跡かね? 人が住んでるとかないよね?」


 洞窟の崩落した音結構でかかったし、人いたら流石に顔くらい見せるよね?


 まぁいっか。


 整然とした街並みを眺めながら、宮殿を目指して歩く。

 カツン、カツンとブーツが石畳を叩く音が響き渡る。


 ……あれ? ブーツなんて履いてたっけ?

 あまりにも自然すぎて、何も違和感を感じなかった。というか、長年履いているかの如く、安心感すら覚える。


 きっと、考えても無駄なんだろうね。

 僕の知らないところで起こっていることが、僕にわかるはずがない。


 一切合切を無視して、宮殿にたどり着く。


 一階は、おおよそすべての部屋が空室。調度品の類はほとんど無く、生活の痕跡すらない。

 2階は食堂、調理場、談話室など。他の部屋も、ほとんど客室のような感じだった。ソファーと机しかなかったけど。


 3階は、階段を上って正面にデカい扉があった。多分、王に謁見できる部屋。まだ調べてないけど。

 その他には書斎や寝室がある。こっちの寝室は王族様かな? 部屋が広い。


 が、どの部屋も人の痕跡がない。街が新築だったのも関係ある?


「収穫ないなぁ」


 最後は謁見の間かなぁ。何となく最後に回したんだけど、これだと何もなさそう。調べてから早く出よう。出口どこか知らんけど。


 扉の前に立ちました。

 装飾がないだけに、あまりにも……なんか、威圧感がないというか、寂しいというか。


 扉の取っ手に手をかけた瞬間。


 ぎぎぎぃぃぃ……。


「えぇ……」


 自動ドアとか、使用者に優しいねぇ。


「えぇ……」


 ……誰かいるんですがそれは。


 目を閉じて、ぐったりした感じで玉座に座ってるんですがそれは。




ちょっと短いような......。

まぁ私のペースだと仕方の無い事なのですが。


絶好調の時は話が長くなるかも。不調だと長くなります。更新頻度が。(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ