第1章 4話
更新は、大体1日か2日の予定です。それ以上遅れている場合は、話の続きが思い浮かばないor書く時間がないor投稿がしっかり出来てないのどれかです。ご了承ください。m(_ _)m
「あいたたた……ここどこ……?」
確か、洞窟見つけて、奥に行って……。
そうだ、私はお腹が減ったから木の実を……ん?
「そういえば、さっき光ってたような……?」
紫と白の木の実を手に取るが、なんの変哲もない────いや、見た目がそもそも変だが────ただの木の実だ。光っていたとは到底思えない。
周りを見渡すも、入ってきた時と全く変わらない。
「早く戻ろう」
残っている木の実をまとめ、立ち上がろうとしてふと、自分の異変に気がついた。
「あれ? 手首が細い……めっちゃ白いし。なんで?」
そもそも、私はなんで意識を失ったんだ?
あれ?
私は……僕は……?
あれ? なんで一人称が「私」になっているのだろうか。
僕は「僕」と言っていたはずなのに。
「とりあえず、戻ろ」
ステージから降りる。
振り返ると、やはり何も変わったところはない、だだっ広い殺風景な講堂。
ステージが少し高く感じるが……あれ? ステージが高くなった?
……いや、元々背が低いわけだし、自分と同じくらいと錯覚しただけかもしれん。
考えるのはやめよう。
「もう夜か。早く戻ろう」
今日は月明かりがあるのかな? いつもより明るい。木々がはっきりと見える。
そもそも、暗くなるとすぐに寝るようにしてたから「月」があるのかは分からない。木に隠れて見えないだけだろうか。
拠点に帰り着くと、倒れるように意識を手放した。
◇◇◇
「ふああぁぁ……眠い」
起きました。体にすごい倦怠感を感じます。
頭も痛いです。何故でしょう?
「顔洗いに行こ」
川まで歩いて1時間半。ついた頃には当然眠気もありません。はっきりと冴えてます。
おかしくね? 目覚ましに顔を洗うのに、洗う時には既に完全に冴えてるの。仕方ないけどね。
「お?」
あれ? 僕の顔こんなんだっけ?
瞳がコバルトブルー、髪は鮮やかな銀が陽の光を照り返している。背中の半ばまで伸びた銀髪は絹のよう。
整った顔は自分ですら見とれてしまう。
……。
…………。
……………………え?
「そうか、さては夢だな? こんな夢を見るとは……いてっ」
呟きながら腹をつねる。が、痛い。痛い、痛いです。
えぇ……。どゆこと? 思考放棄していい? いいよね?
「はぁ……。完全に女のコだなぁ……。……ないし」
男の確固たる証明がなくなった今、もう認めざるを得ない。
何故か僕は転性したようです。
転生して、転性したと。
……は?
は? は?
意味わからん。なんかきっかけなるようなことあった?
木の実か? 洞窟の講堂か? そもそもこの世界に来たから?
有り得ますねぇ。最後のひとつは、数日のスパンが分からんけど。
やっぱり、考えるのをやめた方がいいか。もうどうにもならん。
そのまま僕は顔を洗って、蔦で結んでポニテにし、拠点に戻って寝た。
◇◇◇
起きました。ずっとふて寝してました。ほぼ丸一日経ってます。
体は完全に女の子です。起きたら戻ると、心の端では思ってました。現実は厳しいですね。
もう吹っ切れました。僕はこのまま生きます。
となると、もう迷うことはありません。いつもの生活に戻るだけ。
ということで、行動開始です。
今日は西の岩山を調べます。茶色っぽい岩山です。
やはり、麓には洞窟がある。が、こちらはあまり人の手が入っていないっぽい。
中の道も枝分かれしていて、the洞窟って感じ。とても良き。
ただ……。
「なんか明るいなぁ」
明かりがついている訳でもないのに、何故か明るい。
そりゃ、ちょっと薄暗いけど、でもそれだけ。足元も、決して歩きやすい訳ではない。
地面の凹凸まで分かる。普通に歩いてたら今頃コケてるね。
まぁ、便利だからいっか。
気の向くまま、風の吹くままに右へ左へ。当てはない。
ゴツゴツとした岩の壁も、延々と続く。
おかしいな、だいぶ歩いてきたけど、上下に移動している感じがしない。
この岩山、そんなに奥に広かったのか。
「帰ろっかなぁ」
なにもない。行けども行けども同じ風景。これもこれで殺風景だよ。
決めた。次から数えて分岐の3つ目で引き返そ。
と思った矢先の事。
開けた、これまた広場のようなところに出ました。なんで?
またなんかよくわからんところですねぇ。
……どうしようか。
まぁ、調べようか。
「うーん、やっぱり何も無いんだなぁ……奥の道以外」
進むしかない。だって他に何も無いもん。
ということで奥に行きます。
……なーんか、誘導されてる気がしないでもないですねぇ? 気のせいだといいんですけど。
「あぁ、やっぱりそういうことですか……」
うん、分かってた。
何かあるんだろうとは思ってた。
だから、もう迷う余地もない。
目の前に刺さっている、純白の大鎌を掴む。
と、何かが流れてくるような感覚とともに、またしても意識が薄れる。
ねぇ、なんで? なんでそうやってすぐに意識を落とさせようとするの?
抗えないのは分かっているので、すぐに意識を手放す。
大鎌から流れてくる何かに包まれながら。