表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

第1章 4話

更新は、大体1日か2日の予定です。それ以上遅れている場合は、話の続きが思い浮かばないor書く時間がないor投稿がしっかり出来てないのどれかです。ご了承ください。m(_ _)m

「あいたたた……ここどこ……?」


 確か、洞窟見つけて、奥に行って……。

 そうだ、私はお腹が減ったから木の実を……ん?


「そういえば、さっき光ってたような……?」


 紫と白の木の実を手に取るが、なんの変哲もない────いや、見た目がそもそも変だが────ただの木の実だ。光っていたとは到底思えない。


 周りを見渡すも、入ってきた時と全く変わらない。


「早く戻ろう」


 残っている木の実をまとめ、立ち上がろうとしてふと、自分の異変に気がついた。


「あれ? 手首が細い……めっちゃ白いし。なんで?」


 そもそも、私はなんで意識を失ったんだ?

 あれ?

 私は……僕は……?


 あれ? なんで一人称が「私」になっているのだろうか。

 僕は「僕」と言っていたはずなのに。


「とりあえず、戻ろ」


 ステージから降りる。

 振り返ると、やはり何も変わったところはない、だだっ広い殺風景な講堂。

 ステージが少し高く感じるが……あれ? ステージが高くなった?

 ……いや、元々背が低いわけだし、自分と同じくらいと錯覚しただけかもしれん。

 考えるのはやめよう。


「もう夜か。早く戻ろう」


 今日は月明かりがあるのかな? いつもより明るい。木々がはっきりと見える。

 そもそも、暗くなるとすぐに寝るようにしてたから「月」があるのかは分からない。木に隠れて見えないだけだろうか。


 拠点に帰り着くと、倒れるように意識を手放した。



 ◇◇◇


「ふああぁぁ……眠い」


 起きました。体にすごい倦怠感を感じます。

 頭も痛いです。何故でしょう?


「顔洗いに行こ」


 川まで歩いて1時間半。ついた頃には当然眠気もありません。はっきりと冴えてます。

 おかしくね? 目覚ましに顔を洗うのに、洗う時には既に完全に冴えてるの。仕方ないけどね。


「お?」


 あれ? 僕の顔こんなんだっけ?

 瞳がコバルトブルー、髪は鮮やかな銀が陽の光を照り返している。背中の半ばまで伸びた銀髪は絹のよう。

 整った顔は自分ですら見とれてしまう。



 ……。



 …………。



 ……………………え?



「そうか、さては夢だな? こんな夢を見るとは……いてっ」


 呟きながら腹をつねる。が、痛い。痛い、痛いです。


 えぇ……。どゆこと? 思考放棄していい? いいよね?


「はぁ……。完全に女のコだなぁ……。……ないし」


 男の確固たる証明がなくなった今、もう認めざるを得ない。


 何故か僕は転性したようです。

 転生して、転性したと。



 ……は?


 は? は?


 意味わからん。なんかきっかけなるようなことあった?

 木の実か? 洞窟の講堂か? そもそもこの世界に来たから?

 有り得ますねぇ。最後のひとつは、数日のスパンが分からんけど。


 やっぱり、考えるのをやめた方がいいか。もうどうにもならん。


 そのまま僕は顔を洗って、蔦で結んでポニテにし、拠点に戻って寝た。



 ◇◇◇


 起きました。ずっとふて寝してました。ほぼ丸一日経ってます。


 体は完全に女の子です。起きたら戻ると、心の端では思ってました。現実は厳しいですね。


 もう吹っ切れました。僕はこのまま生きます。


 となると、もう迷うことはありません。いつもの生活に戻るだけ。

 ということで、行動開始です。


 今日は西の岩山を調べます。茶色っぽい岩山です。

 やはり、麓には洞窟がある。が、こちらはあまり人の手が入っていないっぽい。

 中の道も枝分かれしていて、the洞窟って感じ。とても良き。


 ただ……。


「なんか明るいなぁ」


 明かりがついている訳でもないのに、何故か明るい。

 そりゃ、ちょっと薄暗いけど、でもそれだけ。足元も、決して歩きやすい訳ではない。

 地面の凹凸まで分かる。普通に歩いてたら今頃コケてるね。


 まぁ、便利だからいっか。


 気の向くまま、風の吹くままに右へ左へ。当てはない。


 ゴツゴツとした岩の壁も、延々と続く。


 おかしいな、だいぶ歩いてきたけど、上下に移動している感じがしない。

 この岩山、そんなに奥に広かったのか。


「帰ろっかなぁ」


 なにもない。行けども行けども同じ風景。これもこれで殺風景だよ。


 決めた。次から数えて分岐の3つ目で引き返そ。


 と思った矢先の事。

 開けた、これまた広場のようなところに出ました。なんで?

 またなんかよくわからんところですねぇ。


 ……どうしようか。

 まぁ、調べようか。



「うーん、やっぱり何も無いんだなぁ……奥の道以外」


 進むしかない。だって他に何も無いもん。

 ということで奥に行きます。


 ……なーんか、誘導されてる気がしないでもないですねぇ? 気のせいだといいんですけど。


「あぁ、やっぱりそういうことですか……」


 うん、分かってた。

 何かあるんだろうとは思ってた。


 だから、もう迷う余地もない。

 目の前に刺さっている、純白の大鎌を掴む。


 と、何かが流れてくるような感覚とともに、またしても意識が薄れる。

 ねぇ、なんで? なんでそうやってすぐに意識を落とさせようとするの?


 抗えないのは分かっているので、すぐに意識を手放す。

 大鎌から流れてくる何かに包まれながら。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ