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愉しい娯しいあそび
こんなはずじゃなかった。
これは、ただの遊び。
きちんとやれば、何事もなく終わるはずだった。なのに……。
知らなかった。
こんなことになるなんて。
知りたくなかった。
こんなものが、この世に存在しているなんて。
扉一枚を隔てたその先は、人外跋扈の魔窟だ。
ここから一歩でも出ようものなら、あいつらに殺される。
隠れているのが見つかってしまえば、殺される。
身動きは取れない。真っ暗な中、外にいる奴らがたてる不気味な物音を聞きながら、私は膝を抱えて身を固くする。
物音がする度に、扉がガタガタと揺れる度に、冷や水を飲んだ時のように、胸に冷たい何かが落ちる感覚がする。
――――お願い。誰か……誰でもいいから、たすけてください。