17 困惑
これからもちょくちょく更新する予定です。
できれば、気長に待ってくれると嬉しいです!
翌朝。俺こと『榊 天翔』はまだ外が暗いうちに目が覚めた。
顔を洗いに一階に下りるとすでに起きだして『安らぎの木漏れ日亭』を経営するリーファちゃんのお父さんとお母さんが準備をしていた。
「おはようございます」
「おはようございます」
「顔を洗いたいんですけど・・
どこで洗えばいいですか??」
「裏の井戸をつかってくださいな。
それと昨日は私の娘がお世話になったそうで。
私はリーファの母のセルビアと言います。よろしくお願いしますね、アマトさん」
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。
これから一週間ほどこちらの宿でお世話になるので!!」
「もう少しで朝ごはんできますので、ちょっと待っててくださいね」
「はい!楽しみにしておきます。じゃ、ちょっと顔を洗ってきますね」
「あ、ちょっと待ってください。
たらいとってくるので使ってください」
「ありがとうございます」
それから井戸で顔を洗った俺は軽く体を動かし、掻いた汗を流すために井戸から水を汲みシャツを脱いでいた。
「お~い。お兄ちゃ~ん」
「お、リーファちゃん。おはよう!!」
「きゃ、お兄ちゃん。
服、服着てよ~!!」
「お?ごめんごめん」
「で、どうしたんだ?」
「えっとね。朝ごはんできたから呼んで来てってお母さんに言われたから呼びに来たんだよ」
「そうか、ありがとう。リーファちゃん」
朝ごはんはとてもおいしかった。
焼き立てのパンにいい香りをあげるスープ。香ばしい匂いのベーコン。
最高の朝食だった。
♦♦♦♦♦♦♦♦
朝ごはんを食べ終えた俺はギルドに来ていた。
ギルドに入るとたくさんの冒険者たちが床に突っ伏したり、机によだれを垂らしながらいまだに寝続けていた。宴会の後の惨状に俺は顔をしかめながらギルドのドアをくぐった。
「おはようございます。アマトさん!!」
ギルドの受付には早朝にもかかわらず、ティナがいた。
「おはよう。ティナ。昨日の件と決闘の報酬をもらいに来たんだけど、もう準備できてる?」
「準備できてますよ。では、こっちに来てください」
ティナはそういうと受付横の扉をあけ、付いてくるように言った。
扉の先には巨大な肉塊に大きな玉があった。
「こちらの肉塊が飛龍の肉で、こっちが飛龍異常種の肉。
で、これが宝玉になりますね」
そう言い、じゃんじゃん肉塊やらを渡してくるティナ。
それを無言で仕舞っていく俺。
シュールである。
最後に渡された宝玉は手のひらより大きく、ボーリング玉くらいの大きさだった。
これは武器や防具に合成することによってさまざまな能力を付与することができるらしい。
今回のはただの宝玉ではなく、飛龍異常種の宝玉なので強力な能力を付与できるだろうとティナが言っていた。
でもな~俺の武器ってもう完成されてるっぽいし、防具もチートなんだよな~
どうしよー
そんなどうでもいいことをキリッとした顔で考え込んでいた俺はティナが呼んでいることに気付いた。
「そういえば、アマトさんには討伐報酬以外にも渡すものがあったんですよ。決闘場で倒した元冒険者たちの遺産と売却額が二階の応接間に準備できてますのでついてきてください」
二階の応接間に入った俺の目に飛び込んできたのは2人の少女だった。
1人目はおそらくエルフ。
耳がとがっていて、すごくきれいな顔をしている。
髪と瞳が同じ金色で、髪は無造作に後ろで束ねている。
だいぶ傷んでいるように見えるから手入れをしていないか、できなかったのだろうな。
こちらをじっと見つめて何かつぶやいている。
2人目は獣人と呼ばれる種族のおそらく狼種。
髪は銀色で、瞳は蒼い。
こちらも手入れができていないのかぼさぼさである。
「ティナ?こっちの2人はなんだい?」
「そこの2人はあの冒険者があなたと決闘する直前に買った奴隷みたいよ。
あなたに勝ったあと、勝利の余韻に浸りながら、乱暴するつもりだったらしいわ」
「ふーん。で、なんでここにいるの?」
「奴隷も財産に数えられるのよ。だから、アマトはこの2人を引き取るか、また奴隷商に売るかできるわ」
(まあ、アマトなら売りにはいかないでしょうけど・・・・)
「それと、あそこにまとめてあるのがあいつらが持っていた物ね。」
「じゃあ、あそこのは全部売却にして、あの子たちは連れて行かないとか~」
「ティナ、あの子たちとちょっと話してくるな」
・・・・・・・・・・・・・・・
「ちょっといいか?君たちの名前を教えてもらいたい。
俺の名前は アマト。君たちの主人になるらしいんだが・・・」
「・・・・わたしの名前は アルトと言います。
そして、こっちのエルフの女の子がサリアです」
獣人の子はアルト、エルフの子はサリアだな。
覚えたぞーーー
「それでだ、君たち2人は俺の奴隷となるらしいが俺は君たちを奴隷扱いするつもりはない。
だから、嫌なこととかあったら言ってほしい。俺は奴隷持つの初めて出しな。
至らぬことがあったら教えてくれ」
そう言い、2人に笑いかけた俺は2人から視線を外し、後ろで見ていたティナに言った。
「今日はこれで帰るからまた明日来るよ、またな、ティナ」
「えぇ。また明日。奴隷についてわからないことがあった聞きに来てね」
「おう。ありがとな」
そして、俺たちは部屋からでて、ギルドから出て行ったのであった。




