15 飛龍
遅くなってすみません。
テストは無事終わりました。
今のところ返ってきたテストは再テストもなく、無事春休みが迎えられそうです。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
冒険者ギルドに着いた俺はティナを降ろすと集まっている冒険者たちを見渡した。
・・・・おっ。あそこの人は強いな・・・・。
戦力の確認を終えた俺はティナと飛龍について確認しながら、ギルド長のじいさんが来るのを待っていた。
「冒険者諸君、今回この街に飛龍の群れが迫っておるのはわかっておると思う。
ギルドとしては、『緊急依頼』としてCランク以上冒険者に街の防衛及び飛龍の討伐依頼を出す。
Cランク以下の冒険者には一般市民の避難と防衛・討伐の補給要員として働いてもらう。
Cランク以下には、金貨1枚を報酬とする。
Cランク以上には、金貨5枚以上が報酬となる。
これは強制ではない!参加の意思がない者はこのギルドから出て行ってくれ。
わし個人としてはこの街のために戦ってほしい。この街を守ってほしいが・・・」
ギルド長のおっさんがそう言い終わってギルドから出て行った冒険者は1人もいなかった。
「おぉ、全員参加してくれるか。
ならば、配置を言うからその通りに動いてくれ。
それと、今このギルドにいるAランクパーティ【紅桜】とSランク冒険者 【白姫】とアマトを飛龍戦での最高戦力とする。
各自サポートを頼む」
「それでは、これより飛龍殲滅作戦を開始する。
各自持ち場に走れ」
「「「「 おう!!」」」」
「じゃ、ティナ。俺も行ってくるよ。
ティナも受付嬢としてしっかりサポートしてくれよ」
アマトは笑いながら、ティナにそう告げるとギルドを出ようとする。
「ま、待ってください。アマトさん、絶対、絶対に生きて帰ってきてくださいよ。
私待っていますから。アマトさんが帰ってくるの・・・」
「ははは。大丈夫だよ?ティナ。俺はまだ死ねないからね。帰らなければいけない所もあるし・・・」
アマトはそういうと、今度こそギルドを出て行った。
「アマトさん・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★★★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それじゃ、行きますか。
とりあえず飛龍って美味しいのかな?どうなんだろう?」
アマトはそんなことを真剣な顔をして考えつつ、最前線になる都市から2キロほど離れた草原に来ていた。
飛龍の平均的なステータスはこんな感じらしい。さっきティナに教えられた感じだと・・・
飛龍 LV.85
HP:20000/20000 MP:5000/5000
STR:4000
DEF:4500
VIT:4000
INT:2000
DEX:3000
AGI:4500
LUK:300
まあ、こんなもんらしい。
これなら俺のステータスの方が高いし全然余裕じゃんって思うじゃん?
けど・・・・飛龍には固有のスキルがあって火焔を吐くらしい。
その火焔の温度が3000℃を超えるらしく避けれなかったら、どんな冒険者でも一瞬で消し炭になるんだって。怖いね~~~~~。
まあ、当たらんかったらいいんだし、いざとなったら結界でも張るかな。
そんなこんなで突っ立ていると・・・・・。
「おい、そこの君。
私と同じSランクなんだって?若いのにいい腕してるんだね~」と話しかけてきたのはギルドで見かけたSランクの【白姫】さん。
双剣使いみたいで二本の業物と思われる剣を腰にぶら下げている。
遠くからでも目立つ純白の長髪と紅色に染まった二本の剣の映えることこの上ない。
「や、やあ。確か【白姫】さんだっけ?よろしく!!」
「うん。確かに通り名は【白姫】だけど、私の正式な名は『ビリリアン クルール』よ。
クルールって呼んでね」
「俺はアマト。『アマト・サカキ』だ。アマトって呼んでくれ。
それでどうかしたのか、クルール?」
「ん、別に何かあったわけじゃないんだけど・・・・
私以外のSランクに会うのが初めてで、つい声をかけたくなったの。
それであなたは何頭の飛龍なら倒せるかしら?
私はよくて二頭ね。それ以上はきついわ。体力的にも私の命的にもね」
「そうだな。聞いた限りだと五頭はいける。まあ、囲まれたらちょっとやばいかもだけど・・・・」
「え・・・・。五頭もいけるの?ほんとに?すごーい。ほんとに強いんだね。
じゃあさ、じゃあさ。この飛龍殲滅が終わった後、私と模擬戦やろうよ。いいよね?私、最近倦怠気味であんまし強くなれてないんだよね・・・・・。ねぇ、だめかな~?」
「模擬戦くらいならいいぞ。俺も他のSランクの実力とか知りたいしな。お手柔らかに頼むよ?」
「やった~~!!聞いたからね、ぜった~いに模擬戦やるからね。絶対だからね」
【白姫】こと、クルールはそう言うとアマトの前から飛び跳ねるように持ち場に戻っていった。
「クルールって・・・・・・あんなにはしゃぐキャラだったんだな・・・。人は見かけによらんということか・・・・・・・」
Sランク同士交流を深めたところで今回の騒動の原因である飛龍の群れが前方にポツンと現れた。
確認できる限りだと8頭。
ただし、そのうちの一頭は他の個体より一回り大きい。
「な、なんだと・・・・・」
「飛龍の突然変異種だって・・・。
あれはまずいわ、あ、アマトー。あの突然変異種は私が足止めするわ。
他の飛龍は任せてもいい?できればさっさとかたずけてこっちに合流してくれると助かるんだけど・・・。あれは私一人では荷が重いし。もって10分といったところね。急いでね」
「了解。無理はするなよ、クルール」
「わかったわ」
アマトはクルールに声をかけると、飛龍の群れに向かって歩き出した。空中を。
「へ?アマト、なんであんた空中歩いてんのよ!!」
「ん?これのスキルだよ?俺の履いてる靴のスキル『空歩』」
「スキルのついてる装備なんてランク5以上ってことじゃない!!
それにそんな有用なスキル付きとか絶対ランク高いじゃないの!!」
「そうか?でも、俺スキル付き以外の装備もってないよ?」
「えええええぇぇぇぇぇぇぇええーーーー。あんたおかしいわよ。私でもこの双剣にしかスキルついてないもん」
「まあ、俺はダンジョン帰りだしな。ボスドロップってやつだよ」
ちなみに装備品や道具のランクは以下になる。
ランク.1 最低品質
ランク.2 粗悪品
ランク.3 一般品
ランク.4 希少品
ランク.5 超希少品
ランク.6 一般遺物級
ランク.7 希少遺物級
ランク.8 幻想級
ランク.9 伝説級
ランク.10 神物
俺が持っているのは、ランク9と10の装備品にプラスαで冥王ダンジョンのモンスターたちのドロップ品だ。これの数が多くて正確にすべてを確認したわけではないがたぶん最低でもランク4はあったはず。
最初に戦ったメイジゴブリンたちのドロップがそれだったからな・・・。今思えば遠い過去に思えてくる。
まだあれから一週間しか経ってないのに・・・・。
まあ、回想に耽るのはこれくらいにして、クルール助けんとあかんし、スキル使ってさっさと倒しますかね。クルール助けなあかんし。 大事なことだから二回思ったよ?
飛龍の群れまで残りおよそ20メートル。
俺はスキルを発動させた。
スキル名は『絶対切断』
飛龍の群れは半数が上半身と下半身に分かれ落ちていく。
残り半数も翼に傷を受け墜落していく。
唯一無傷であった飛龍の異常種はアマトを見て敵わないと見たのか一直線にクルールたち、冒険者たちの方へ飛び去った。
「んじゃ、生き残りを始末するかな。死体も回収せなあかんし」
アマトは墜落していった飛龍の生き残りの元へ跳ねるように空中を駆けていったのだった。
「・・・ふぅ。こいつでラストかな?全部で9頭。打ち漏らしなしと・・」
「じゃ、クルールたちの様子見に行くかな。SランクとAランクパーティの連携はいかほどの物か」
「キン、キン」
三分ほど駆けていくと、激しくドンパチを繰り広げる飛龍異常種とクルールたち冒険者の姿があった。何人かやけどを負っている者を見るに何発か火焔を使われたみたいだ。何人死んだかはわからないが・・・・。
「アマト、そこでぼっと観戦してないでさっさとあいつを倒しなさい。
何人か死人も出てるし、これ以上戦うともっと死者が増えるわ。お願い!」
「まあ、いいが。少し離れていてくれ。少し本気を出すから」
「みんなここから急いで避難して~~~~!!!!!!」
「「なんだーー。ここで引いたら街が襲われるだろ?」」
「いいから、そいつをどうにかできる人が来たから」
「おし、避難したな。じゃ、行きますか」
アマトは、≪聖刀ラピッドゼルク≫と≪神刀 神威≫の二刀を構えると異常種に向かって走り出した。
その速度はスキル『韋駄天』の効果で見えないほどになっており、アマトの走りによって周囲には少しソニックウェーブが発生する。
アマト流二刀神聖刀術 断界
アマトの刀術によって一時的に空間ごと真っ二つになった飛龍異常種はどしーんと音を立てて其の巨躯を大地に横たえたのだった。
「「「「「うおおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
広い草原に響く冒険者たちの勝鬨の声。
どの冒険者にも笑顔があり、興奮して隣同士の者たちで抱き着きあっている者もいる。おうぇーー。
おっさん同士の抱き着きって誰得だし。
「ア~マ~ト~!!!!!!!!!」
クルールが満面の笑みで走り寄ってくる。
そして、あと3歩というところでジャンプ。
アマトに抱き着いた。
「おいおい。今抱き着いたら血で汚れるぞ」
「大丈夫。もう汚れてるし?」
「そりゃそうか。ははははは!!!」
「それよりアマト、あんたすごい強いんだね。こうズバーと行ってズバーと切るなんてさすがだよ」
「く、クルール、見えてたのか俺の戦闘?」
「もちろん。すごい速かったけど、見えたよ?」
「まじか。お前、俺と冒険しない?
クルール、お前なら俺と同じくらい強くなれる」
「ほ、ほんと!!」
「でも、私料理できないよ?洗濯とかもできないよ?それでもいいの?」
「待て待て待て待て!!料理はまだしも、なぜ洗濯の話になる?ただ、一緒に冒険しよってだけだぞ!!」
「え、ええええぇぇぇぇぇ。俺と一緒に来てくれって言うから、てっきりアマトと付き合うのかと思ったよ~~~。もう、勘違いさせるなんて。アマトのバカ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」
クルールはそう言うと、アマトに抱き着くのをやめて、顔を真っ赤にして駆け出して行った。
アマトは苦笑いをすると、帰路についたのだった・・・・・。




