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初めての戦闘

 さっそくですが、裏山にやってきましたよ。いやぁ、ほんと自然が多くて田舎の村って感じですね。虫や爬虫類の多いこと多いこと。ただし、地球と大きく違うのがその大きさだ。遠目にのそのそ歩いてる蟻が見えるんだが、あれなんて豚くらいの大きさだよ。蟻ってことはあれが大量にいたりするのだろうか。考えただけでも気持ち悪いね。


 で、何でこんなに大きいのかというと、魔素というのが原因らしい。この世界には魔素というものが空気中に含まれているらしく、それを取り込む事によって、地球の生物よりも大きく変化するらしい。らしいというのは、こっちの世界でもちゃんと分かってないらしいのだ。


 ちなみに、魔素が湧きだす場所ってのがあるらしく、魔素を多く取り込んだやつは魔物と呼ばれるようになるらしい。これが人間にどう影響するのかというと、あんまり濃いところにいると良くないらしいが、体に取り込む事により魔力へと変化させる事ができるらしいのだ。魔法がこの世界にあるのはこの魔素があるからなんですね。魔素ってホントに良いものですね。ただ、こっちの世界みんな魔法が使える訳ではなく、個人で魔力を持てる容量が原因のようだ。


 偉そうに語っていますが、全部クロの受け売りです。すいません。

 

 「ごしゅじんさま~、はやくはやく~」


 あぁ、違う事考えて誤魔化してたけどついに初実戦の時間のようです。最初だからできるだけ弱いの選んでくれるみたいだけど、どんなの相手だろ?いきなりさっきの蟻とかやだよ?


 「マスター、やっぱり初めての実戦ならばスライムであります」


 ビシッと指をさした方を見ると、体をプルプルと震わせながらピョンピョンと跳び跳ねるスライムがそこにはいた。


 うん、あれはスライムだわ。ドラ○エのスライムのように愛嬌はないけどな。体の大きさや色は青で似た感じだか、目がないのが大きな差だな。


 ただ、確かにあれなら経験のない俺でも殺れる気がする。


 「マスター、まずは1人で倒してほしいであります。スライムを1人で倒すというのは冒険者の最低ラインでありますから。マスターの覚えたというスキルも気になるでありますし」


 「ごしゅじんさまがんばって!あぶなくなったらしろがたすけるからね~」


 そんな恥ずかしいマネできるかよ。よし、気合い入れてくぞ。


 俺はスライムの背後から黒く、自分の身長ほどの大きな弓を構えた。だいたい10メートルほどの距離だろうか。スライムは見た感じ急所とかなさそうなので、とりあえず外さないようにだけ注意することにする。

 

 「マスター矢を持っていないであります」


 そんなクロの声を手で制止、ぶつぶつと自分に言い聞かせるようにイメージを作っていく。


 「燃えろ燃えろ燃えろ……」


 手から少しずつ炎のように赤い玉が湧き出てくる。水晶玉ほどの大きさになったところで弓の弦へと引っ掛けるようにし、力いっぱい引く。すると、不思議なことに赤い玉が弦に引かれ、矢の形を作りだした。


「我が炎よ、集いて奴を焼き尽くせ!いくぜ、魔弓〈炎〉」


 俺の厨二っぽい台詞と共に炎の矢はスライムに向かって飛んでいく。一方スライムも俺の決め台詞により、ようやくこちらに気付いたようだ。


「矢はもう飛んでいるんだ。今ごろ気付いても、もう遅い!」


 厨二病っぽくなっていた俺は、もう完全にスライムを倒したつもりでいた。だって後ろから不意討ちして、こんな格好良い必殺技まで使ったんだぜ?倒せない方がおかしいと思うよな。


 しかし、炎の矢はスライムには当たらなかった。

 スライムが避けたわけじゃない、そもそもスライム動いてないし。


 「な、何故だ……あっ!?」


 この時、ようやく俺は重要な事を思い出した。

 そう、俺初めてスキル使ったんだよ。

 スキルってのはすごくて、スキルを覚えた時にその使い方ってのが自然と頭で理解できるんだよ。だからすぐにできると思ってしまった。

 でも実際はただ射てるようになっただけで、今までの生活で弓なんか射った事ないんだから練習しないと当てるのは難しいのだ。

 ゲームなら当てる事もできたかもしれんが、この世界魔法使えたりとファンタジー要素たっぷりなんだけど、ゲームとは違ってその辺はリアルなんだよなぁ。


 「マスター!?まだ戦闘は終わってないでありますよ!」


 「ごしゅじんさま!そっちいったよー!」


 二人に声をかけられて、攻撃されたスライムが怒ってこっちに向かっているのにようやく気づく。


 そりゃそうだよな、攻撃されればだれでも怒るわ。


 急いで第2射の準備に入る。

 炎の玉をイメージで作ってる間にも、スライムは跳ねながらこちらへ向かってくる。

 そして、炎の玉ができた時にはすぐ目の前までやってきた。

 ダメだ、間に合わない!?

 弓を射とうとしていたせいで、回避もできずにスライムの体当たりをくらってしまう。


 ぶにょんっ


 「あれ、痛くない?」


 スライムはこっちに向かってきた勢いそのままに体当たりしてきたのだが、幸いにもぷにぷにした体のせいでそんなに痛くなかった。


 「驚かせやがって、今度こそ撃ち抜いてやる」


 玉を弦にかけ、矢の形状にし、第2射を放とうとする。一方スライムも再度体当たりをしかけてきた。


 ぷにょん


 スライムの攻撃自体は弱いものだが、矢を狙う最中にわざと手先を狙って体当たりしてくるのか、目と鼻の先の距離にいるのに外してしまう。

 

 偶々か?それともスライムなのにそんな知能があるのか!?


 そこからは同じ攻防の繰り返しだった。


 うぜぇ、全然痛くないけどこんだけやられるとストレス溜まるわ。

 というか、これ弓にしなくても玉で攻撃できるんじゃないか?


 あまりにも弓が当たらないので、スライムの体当たりに合わせて炎の玉の状態のまま相手に攻撃してみる。螺旋丸みたいなイメージだな。


 きゅー


 初めてスライムが鳴き声のような音を出したかと思うと、そのままどろどろの液状になってしまった。これは倒せたって事でいいのかな?あんな簡単に倒せたのかよ……あっけない幕切れだわ。


 「マスター、初めての戦闘とはいえ、スライム相手にあんなに苦戦する人初めて見たでありますよ。子供でも倒せる魔物でありますが……」


 「ごしゅじんさまよわいねー。やっぱりしろがまもらないとね!でも、こうげきのなまえかっこよかった!しろもあんなのほしい!」


 「シロよ、あの良さが分かってくれるか。戦闘に関しては弓練習してからまたやるわ……」


 「マスター、取ったスキルとか説明してほしいであります」


 あぁ、カッコ良く倒してから説明するはずだったのにこんなまま話すことになるとわ。


 「スキルは魔弓ってのを取ったんだ。これからはどうか分からんけど、普通の魔法は空白でおぼえれなかったよ。けど、この魔弓は魔法の玉を自分で作って射つから魔法使えるのとほとんど同じだと思う」


 「レアなスキルでありますな。聞いた事がないであります。そのスキルだけ獲得したのでありますか?なら弓はどこで準備したのであります?」


 「あぁ、ポイントが足りなくてこれだけ取れたんだが、弓は魔弓を射てる弓がこれだけって事でスキル獲得したら突然出てきたんだ」


 「ますますレアなスキルでありますな。練習をしてもらい、早くマスターにも戦力になってもらうであります」


 ひどい、戦力外扱い!?

 でもまぁ、今のままじゃ戦力になってないってのは痛いほど分かってしまったし、大人しく練習しときますかね。


 こうして初めての戦闘はスライム相手に苦戦という苦い物となり、次の戦闘の為に弓の練習を始めるのだった。



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