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ダンジョンをつくろー

早速シロとまで協会横の空き地へ移動し、ダンジョンの作成を開始することにした。


村人達には完成してから見せるから楽しみにしといてくれと言って、シロと2人だけにしてもらった。


やましい意味などなんにもないからな。ほんとだよ?

  

「よし、やるか」


早速、空き地の真ん中辺りでダンジョンメイキングと心の中で念じてみる。


…………


あれ? 何も反応がない?

いや、自分が気付いていないだけで実際には何か変化が起きているのかも?


「ごしゅじんさま、たったままでどうしたの?」


やっぱり何にも起きてねぇ!!


「あ、あぁちょっと待っててな」


平然を装い、何が駄目だったのか可能性を考えてみる。


うーん、心に念じるだけでなく、言葉に出さないと駄目なのか? とりあえず思い付く限り色々やってみるか。


「ダンジョンメイキング!!」


………………しかし、やはり何の変化も起きた感じはしなかった。


「ごしゅじんさま、なんにもおきないよ?」


今度は声に出していただけに隠しようがない!

超恥ずかしい!!


「おかしいなぁ、神様には念じるだけでできるって聞いてたのに……」



「へぇ、何を念じたんでありますか?」


「そりゃ、ダンジョンメイキングのスキルを発動させる為に念じてたんだよ」


「もう発動しておりますよ?」


「いやいや、何にも変化起きてないよ」


「そんな事ないでありますよ、無事発動しているであります」


「シロさんったらさっきから何冗談ばっかり言ってるんだい?」


「ごしゅじんさま、しろはなんにもいってないよ?」


 「変なマスターでありますな」


 「当たり前のように話に参加してるけど、お前だれだよ!」


 いつの間にか俺とシロの間には、白と同じくらいの背丈の幼女が立っていた。彼女の容姿はシロとは色々と正反対になっている。髪型は一緒だが、色は兎の体毛のようにフワフワとした白色をしている。服装はシロのような鎧ではなく、全身を覆う黒くだぼっとしたローブを着ており、手にはステッキのような物を持っててまるで魔法使いのような装備だ。


 「私でありますか?私はマスターと運命共同体であります」


ぽっと頬を染め、モジモジしながら答える黒い少女。


運命共同体ってなんだよ……まだ初対面のはずなのに。


あっ、そーいう事か?


ここでようやく俺の理解が追いついた。つまり、スキルがもう発動していたという事なのだ。


「そうであります。私はマスターのスキルの発動によって誕生した、ダンジョンコアなのであります」


「スキルが関係してるとは思ったけど、ダンジョンコアなのか。ってか、ダンジョンコアなのに人型なの?」


 「はいであります。マスターと共に最高のダンジョンを作成する為、考えられる最高の形で生まれた結果がこの人型なのであります」


「しかし、ここまで正反対のような見た目の2人が揃うとはびっくりだなぁ」


「見た目でありますか? マスターの隣にいるシロ殿を参考に少しアレンジをしているので、似ているのは当たり前であります。ちなみにカラーリングに関しましてはいつでも変更可能であります」


「シロを参考にしてるって事は翼もあるのか?」


「はい、ローブで隠してますが黒の翼があるでありますよ」


「そうか、なんで隠してんの?」


「種族イメージは天使のシロ殿に対抗して悪魔の種族にしたのですが、この村は協会もありバレるとマスターにご迷惑をかける可能性があったのであります」


「なるほどね、ちなみに名前はあるのか?さすがにダンジョンコアって呼ぶのは人型だし違和感があるからさ」


「呼称でありますか?マスターの好きにお呼びください」


「じゃあクロだな。これからよろしく頼むな。いきなりだけど、ここにダンジョン作るにはどーしたらいいか説明してくれよ」


「了解であります。では説明しながら、ダンジョンの作成に入るであります。作れるダンジョンはマスターの特徴やレベルが影響して、作れるダンジョンが変化するのであります。なので、同じジョブを持ってる方でも千差万別のダンジョンができあありますし、マスターが成長する事によってどんどん新しいダンジョンが作れるようになっていくのであります」


「なるほど、それで俺が今作れるのはどんなダンジョンなんだ?」


「では今作れるダンジョンをお見せするであります」


 そう言うとクロは、こちらに向かって右手を差し出した。意味が分からずその手を見ていると、手品で手から花を出すかのように、ポンっとカタログを出現させた。


「このカタログには今マスターができる事だけが載っておりまして、できない部分は白紙の状態であります。できるようになると、このカタログに自動的に掲載されるようにできているであります。一番最初のページは現在のポイントやマスターの情報等が色々と載っているのでそこを見ながら色々と考えるであります」


カタログを手に取り、まずは最初のページを開いてみる。すると、ダンジョンマスターとしてのステータスのようなものが載っていた。


**********************


なりたてダンジョンマスター 紙出魔王

ダンジョンポイント 1000P

所持モンスター シロ(天使)

ダンジョンコア クロ(悪魔型)

次のレベルまで???


**********************


「次のレベルまでが?になってるんだけどなんでか分かる?」


「それはまだ何も始めてないですからであります。ダンジョンを作ってやっとスタートであります」


「それもそうか」


俺は納得し、他のページを見てみる。カタログにはダンジョンの広さや、部屋の数、形等は基本一緒のようだが様々な外観のダンジョンが載っていた。アマゾンのように草木が生い茂るダンジョンから、地面が整備されたかのように障害物も何もないダンジョンまでたくさんある。外観によって消費するポイントが違うらしいから悩みどころだ。ちなみに、ダンジョンのポイントは300~500ポイントほどだ。基礎のダンジョンと自分達が生活する為のホームをまず作り、そこに罠やモンスターを仕掛けていく流れになるそうなのだがそれぞれポイントが必要であるので無駄遣いもできないな。


「あれ、ダンジョンに追加できるモンスターが1匹も載ってないぞ?」


「それはマスターがこの世界のモンスターを知らないからであります。マスターが外でモンスターと戦闘し、そのモンスターをしればそのカタログに載る仕組みでありますよ」


「何その鬼畜仕様!?」


パワーアップさせるのには他のダンジョンを攻略する必要があるとは聞いていたが、ここまでダンジョンに引き篭もれない仕様だとは思わなかったな。自分のダンジョンで戦闘の訓練とかしようとか思ってたのにいきなり実践からになりそうだ。


「じゃあダンジョンの基礎の部分は安くてシンプルなのにしておいて、俺らが住むホームは小さいが和風っぽくてお風呂もあるこれにしよう。合計で500ポイントか、とりあえず残りは貯めて実践に行くべきかな」


「了解であります。あとポイントは個別に貯まる用になっていますが、私達の戦闘面強化をする際もそのカタログで行う必要があるので注意が必要であります」


それ先に言っておかないとだめなやつですよクロさん!?考えないとだめな問題がまた増えたよ。

 

「ごめんなさいであります、でも、ダンジョンやホームに関しては使わないと始まらないのでさっきの選択で良いと思うのであります。戦闘面についてはダンジョンとホームを作って、それからゆっくりと考えるのが最善かと思うのであります。いかがでしょう、マスター?」


「そうだね、じゃあダンジョンはさっきので頼むな。戦闘面については後で3人で考えよう。ちなみにポイントってどんな時に増えるの?レベルアップ?」


「了解であります。ダンジョンのポイントはダンジョンの中に入ってきた人やモンスターの魔力をポイントに変換して入手できるであります。ダンジョンから逃げられても、長く滞在させれば多くもらえるでありますし、倒すとさらに多く手に入るであります。それ以外にもモンスターを何匹仲間にしたとか実績で増えたりもするであります。各自のスキルポイントは、ジョブのレベルアップが主になるであります」


自分達の戦闘強化はこまめにやっとかないとだめだな。


「マスター完成したでありますよ。中に入って考えるでありますよ」


ちょっと考えてる間にできてしまうとか凄すぎるだろ。カップラーメンでも3分かかるってのに。


「まぁいいや、これからお世話になるホームを見に行きますか。あれ、そーいやシロはさっきから全然話さないけどどっか行っちゃったか?」

  

「そこで寝てるであります。起こすでありますか?」


「良いよ、俺が抱っこしてくわ」


放置した事を心の中でシロに謝りつつ、起こさないように気をつけながらできたてのホームに向かうことにした。

  

  

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