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ドラゴンさん登場

前回のおさらい。


『ドラゴンだろうがなんだろうが、俺が倒してやんよ!!』そう言ったり本当にドラゴンがボスだったでござる。


以上


いや、あの時は気が高ぶってついついドラゴンだろうがなんだろうが倒してやるって言っちゃったけど、実際に来ると困るんだけども。


しかし、相手してやるって言った割にはなかなか出てこないドラゴンさん。おかげで入り口からダンジョンコアまでの中間地点位にまで進んでいたミケ達がこちらに引き返す事ができた。、声がした時にはそのままミケ達がいる位置に上から飛んで来て、踏み潰して終わりっていうのを危惧したんだけど、その心配は杞憂に終わったようだ。

誇り高きドラゴンとかと言ってたし、その辺配慮はしてくれたのかもね。



3分後


何故だ……一向にドラゴンさん出て来ないんですけど!?

誇り高きドラゴンである私が相手をしてやろうとか偉そうな事言ってたのに、どういう事だろう。中間地点にいないとイベント進まないとかないよな? ミケ達が逃げて来たからイベントが途中で止まってる的な?


仕方ない、ここで待ってるだけじゃ時間の無駄だし行くか……


「ご主人様、進むのです!? ドラゴンなのですよ!? 怖いのですよ!?」


「あぁ、俺も気が進まないけど肝心のドラゴンさんが出て来ないから仕方なくなぁ」


「じ、じゃあ、ミケ達はちょっと離れて着いていくニャ。大丈夫、ボスが出て来たらすぐ助けに向かうのニャ」


「そうしましょうなのです。ド、ドラゴンが怖いのではないのですよ!」


「クロもそうするであります。魔法を使うクロは相手との距離が空いてる方が都合が良いでありますしね。それに、いざとなったらマスターごと……」


おい、またやるつもりかクロ……


背後にも恐怖を感じながらもダンジョンコアらしき物へと近付いて行く。中間地点程で再びドラゴンさんの声が聞こえてくる。


『おい、それ以上進むならこの誇り高きドラゴンである私が相手をする事になるぞ? いいか、それ以上進むなよ? 私は本気だぞ?』


さっき聞いたのとちょっとニュアンスが違うような……少し弱気に聞こえるな。しかも、最後の台詞は押すな、押すなよ的な芸人のノリみたいにも感じるな。まぁ、どっちにしろ前に進むしかないんだけどね。何にもないのに戻ろうとしたら、後ろから攻撃されるかもだし。


ドラゴンさんの忠告を無視し、さらに前に進む。


『お、おい、そこの貴様。私の忠告を無視してどうなるか分かっていのか? 私は誇り高きドラゴンだぞ? 貴様達人間など、一瞬で肉塊に変える事ができるのだぞ? だが、優しい私は今戻るなら許してやる。さぁ、死にたくなければ引き返すがいい!』


ハハハハ、無駄無駄無駄無駄!!

もう来てほしくないってのがバレバレだっての!!

ドラゴンさんの2回目の忠告を聞いて確信した俺は引き返す事などせず、 むしろ歩みを早めた。もうダッシュである。


ダッシュを始めるとドラゴンさんが慌てた様子で声を掛けてきた。


『え、ちょ、何急に走っちゃってんの!? 頭おかしいんじゃないの!? ねぇ、聞いてる!? ほんと止まれって! いや、もうお願いだから止まってください、そっちに行きますから!!』


おっと、ついにドラゴンさん登場か。

しかし、あの慌てようだとドラゴンかどうかも怪しいな。

それに、もうダンジョンコアらしき物まで先に着いちゃうかもしれんな。


そんな事を思っていると、ダンジョンコアらしき物の目前にいきなり白煙が立ち込めてくる。本人が言っていた通り、ドラゴンさんのご登場だろうか。


俺は念の為警戒して走るのを辞め、少し距離を空けてその様子を観察する。


白煙はダンジョンコアらしき物周辺に立ち込め、煙が濃いせいか向こう側が見えなくなっていく。そして白煙が広がっていくなかで、次第にその白煙の中に影が見えるようになっていく。

その影の形はドラゴン○ールの○龍や日本○話に出てくるような蛇のように体が長細いタイプの龍ではなく、初代ドラゴン○エストの姫を拐って行った四足歩行タイプのどっしりとした体躯のドラゴンという感じだ。影で大まかにしか分からないけどね。


「ド、ドラゴンなのです?」


「なんか違うようニャ気が?……」


しかし、白煙の広がりが収まると共に気になる点が出てきた。影を見た感じは確かに先程説明した通りのドラゴンのような外見なのだが、問題はその大きさが明らかに小さ過ぎるのだ。

影しか判別できていないのでその確かな大きさは分からないのだが、それにしても大型犬よりも小さいドラゴンってどうなのかね。


『(……ふぅ、間に合って良かった。はっ、もう近くにいるんだった!?) あんぎゃー!! 私の忠告を散々無視しやがったのは貴様か! 私は誇り高きドラゴンだぞ!』


煙はまだ残っているのだが、こいつ……やっぱり小さいぞ!!

声もなんだかやたらと幼い。誇り高きドラゴンとか言って、子供が自分を大きく見せようとしている感じだな。なので、ドラゴンだというのに全くと言って良い程怖くない。むしろ、ちょっと可愛いというかほのぼのするくらいだ。


それにしても、いつまで煙を纏っているんだろう。本当の姿を見られると都合悪いから、ずっと纏っているつもりなのだろうか? 正直、影で小さいってのが分かっているからあんまり意味ないんだけどな。


ちょっと攻撃したれ。


『聞いているのか、貴様!? 私は誇り高きドラゴンなのだぞ!? もう許してやらないぞ!? って何するんだ!? や、やめろ。喋っているんだから、攻撃するな! や、やめてよー!』


喋っている最中に魔弓で攻撃してやると、ドラゴンさんが堪らず悲鳴を上げて煙の中からついに姿を現した。

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