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妖精の存在

「え?アキヒト、今なんて言った?」


聞き間違いじゃなければ、知ってるって言った?

なんか言いづらそうだし、もしかして……

犯人がアキヒト?

勇者ならクロが持っているようなアイテムボックス持っているかもしれないし、ありえる!?

それに、犯人は現場に戻ってくるって言うしな!

ここは別に現場ではないけど。


よし……


「シロ……確保だー!!!」


「はーい、いっくよー!!」


「え?ちょ……ちがグハッ!!違うんや……ワイがやったんとは違うんや……」


「犯人はみんなそう言うんだ。さぁ、白状するんだ!」


「ホンマやって!ワイがやったんとは違うくて……痛!?まだ話してる最中やのに拷問しようとするのやめてくれへんかな!?その黒い嬢ちゃん怖いんやけど!?」


「クロ、そのバールのような物は怖いからとりあえず置いておこうか?まだ犯人と決まった訳ではないから、踏んでいる足もどかしてあげようね?」


チッと舌打ちをして下がってくれるクロさん。

この子どんどん危なくなってない?

身の危険を感じるわ……


「ワイが言いたかったのは、ワイが犯人の心当たりがあるって言う事やねん!」


なに?心当たりだと?

怪しいがとりあえず一通り話を聞いてみるか。

そのままアキヒトに話すように促す。


「ワイの相棒のフィオーレの事みんな覚えてるか?あの子妖精なんやけど、妖精族って言うのが人間と同じ様に群れで生きる生き物なんや。そして、妖精族の群れっていうのはテレパシーでどこでも話す事ができるんや」


なんで今妖精族の説明をされているんだ?

フィオーレが犯人って事か?


「話は最後まで聞いてや、兄ちゃん。そんでな、フィオーレも俺と一緒に過ごしているけど元々は群れで生きてた妖精なんや。そんで、つい最近その妖精族の群れのクイーンからフィオーレにこっち行くからってテレパシーがあったんや」


ふむふむ、つまりアキヒトはその妖精族の群れが犯人って言いたい訳だな?


でも、妖精族がこっちに来るのは分かったけどその群れが犯人っていう風には繋がらないように思うのだが……


「まだ兄ちゃんは良く分かってないみたいやな。そうか、兄ちゃんフィオーレ以外に妖精見た事ないんちゃうか?」


「ん?確かにフィオーレ以外は妖精を見た事はないけど、それがどうかしたのか?」


「あんな、兄ちゃん。フィオーレは妖精の中でもかなり珍しい部類に入るねん。本来妖精は子供と同じ様に騒がしくて、イタズラばっかりして、すんっっっごいめんどくさーい生き物やねん。見た目だけは可愛いねんけどなぁ……」


確かに妖精は小説とかではそんな設定があったりもするな。

でも、今この場にいないからなんともな……


「そーいえば、そのフィオーレはどうしたんだ?」


「フィオーレなら、群れの相手に行ってるよ。そうや、フィオーレの場所はワイには分かるからそこまで行ってみよか!どうやらこの牧場にはおるみたいやし、行ってみればハッキリするやろ!」


よし、とりあえず信じてやるか。


「さぁ、ではその場所まで案内するんだ!キリキリ歩けよ?」


するするっとどこからかロープを出し、アキヒトの両手を後ろで結び、さらに腰にもロープを巻き付けてそれをシロに手渡すクロ。

おい、手慣れとるな。


「えっ!?せっかく話したのにまだワイ犯人扱いされとるんか!?ちょっ、ちゃんと歩くから蹴らんといてや……」


ロープで拘束されたアキヒトを先頭に、シロ・クロ・俺の順番に某国民ゲームのように真っ直ぐ並んで歩く。

なんか意味あるのかって?

なんかみんなが並んで歩いてたから俺も並んだだけで、特に意味なんてない。

小屋を出た時に順番を待っていた人達には変な目で見られたけど、気にしない気にしない。


暫くそのまま歩いていると、今までにはなかったはずの森が見えてくる。


「あれ?牧場にこんな森あったっけ?牧場を隅から隅まで見た訳ではないけど、こんなのなかったと思うんだけど……」


「うわー、もりだー!すごーい!」


「あのような森はこのフロアを作る時にはなかったでありますし、ダンジョン内では基本的には木々の急成長なども起こらないのでありますが……おかしいでありますね」


シロはよく分からず喜んでいるだけだが、やはり俺の勘違いではなくクロにも分からないようだ。


俺達が驚いていると、アキヒトは確信めいたように話し出した。


「あれは……間違いない、あいつらの仕業やわ。あいつら森に住んでるんやけど、移住する時とかは自分の住みやすい様に木々を成長させるねん」


え?移住だと? 妖精達が勝手にやってきて、さらにそのまま住もうとしているって事?


可愛いならありか?

でもイタズラ好きで騒がしいか……

まぁ、会ってみればすぐ分かるだろ。

とにかく、あの森に向かって進むか。


それから少し歩いて森にたどり着くと、気付いた事がある。


「思ってたよりも小さいでありますね……この森」


そう、遠くで見た時には気付かなかったが、明かにサイズか小さいのだ。

小さいと言っても森が狭いとかではなく、木々の高さが自分より少し大きいくらいの高さしかないのだ。


確かにこれは妖精用に作られた森って感じだな。


そして森へ入ろうと足を踏み入れた途端に何処からともなく声をかけられた。


「なんだチミ達は!!ワタス達の森に何の用だ!」


また濃いのが来そうだな……

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